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新・鉄道綜合スレ

3580とはずがたり:2021/07/12(月) 14:44:50
>>3579
いまから考えれば、川勝氏が尻尾を出した機会に乗じて、国、JR東海が徹底的に攻めれば、事態は変わっていたかもしれない。

昨年6月、金子慎JR東海社長が静岡県庁を訪ね、川勝氏にリニア準備工事の再開を求めたときのことである。

会談の終盤になって、金子氏は「ヤード工事(準備工事)は水の問題と関係ない。それ以前の問題だと理解してもらいたい」と述べると、川勝氏は「県自然環境保護条例では5ヘクタール以上であれば、協定を結ぶ。県の権限はこれだけである」と応じた。直後の囲み取材でも、川勝氏は「ヤード工事は明確にトンネル工事ではない。5ヘクタール以上の開発であれば、条例に基づく協定を結べばよい。活動拠点を整備するのであればそれでよろしい」などと明言した。つまり、川勝氏は河川法の許可権限が及ばない準備工事を認めたのである。JR東海はこの機会を捉えて、準備工事を始める言質を取るべきだった。

ところが、1時間以上たってから事態は急変する。川勝氏は再度の囲み取材を設け、「ヤード工事はトンネル工事と一体であり、認められない」など前言を覆してしまった。翌日の朝刊は一斉に、川勝、金子対談の写真をつけて、『知事、ヤード整備を認めず』などの大きな見出しをつけた。メディアを味方につけた川勝氏がぼろを外に出さずに終わったのだ。

金子社長に続いて、7月に入り、藤田次官が再び、県庁を訪れ、「JR東海はトンネル本体工事をなし崩しに着手しないので、県はヤード工事を認めてほしい」と要望した。この席で、川勝氏は「県条例では委員会を設けて、専門部会で(ヤード工事を)許可する。金子社長は条例をご存じなかった」などと発言した。県条例ではJR東海と協定を結ぶだけで、委員会も専門部会も不要。川勝氏はここでも県条例の内容を勘違いしていた。

結局、県はトンネル工事の一部に当たると条例の拡大解釈を行い、準備工事を認めなかった。藤田次官は法的根拠を追及せず、知事へ懇願しただけで終えた。県の一方的な拡大解釈に、裁判を辞さぬ覚悟で藤田次官が対応すれば、JR東海は準備工事に着手でき、地元の懸念する「なし崩し」でトンネル工事強行も視野に入ったはずだ。どうも、国、JR東海にはリニア工事を是が非でも行いたいという覚悟が見えてこない。

■葛西氏との会談を要請
今回の知事選がリニアの運命を決めることくらい、国、JR東海は先刻承知のはずだった。ところが、自民党は組織のみに頼り、戦略らしい戦略も示すことができず、なすすべなく惨敗した。川勝氏は討論会等で昨年のような尻尾を出さぬよう細心の注意を払っていた。

圧勝の有頂天の中、唯一、「葛西さん、葛西さん」の連呼が本音を見せた瞬間だった。「JR東海はトンネル掘削ありきで、(コロナ禍の中)創業以来の赤字を計上、首都圏ではトンネル陥没事故が起こり、工事費1.5兆円追加などを見れば、いったん立ち止まらなければならない」などと牽制、「ルート変更」「工事中止」を何度もちらつかせた上で、葛西氏との会談をメディアの前で要請した。記者からの再度の質問に、川勝氏は「相手が望まれるならばいつでも」と口を濁した。このトップ会談を知事側から要請するつもりはないことは確かだが、リニア問題解決の糸口を川勝氏はちゃんと示したのだ。

代表取締役社長を格下扱いして、取締役からも外れた名誉会長の出番を促した。 どのような“ツーと言えばカー”の関係かは当事者のみ知るが、JR東海“最高責任者”葛西氏が満を持して登場しなければ、リニア計画の中止が現実のものとなるだろう。

小林 一哉:「静岡経済新聞」編集長


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