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新・鉄道綜合スレ

3508荷主研究者:2021/05/04(火) 21:20:22
>>3507-3508 続き

■空路なお優勢

 北陸新幹線で東京―金沢間は2時間28分。新幹線の金沢駅は市内中心部にあり、県内の小松空港は中心部から車で50分ほどかかる。国土交通省の調査によると、石川県と首都圏間の交通手段の利用割合(分担率)は、飛行機が開業前59%だったのに開業後には20%台に低下。逆に鉄道は35%から70%台に「飛躍」した。新幹線開業で首都圏への交通手段の主役は飛行機から鉄道に交代した。それに伴い小松空港の羽田便は開業前の12往復から10往復に減り、通常航空運賃も最大1割強下がった。

 一方、新函館北斗駅は函館市街地から車で40分ほどかかり、逆に空港は車で20分と近い。東京―新函館北斗間は最速3時間57分。飛行機との競争を制する目安となる「4時間の壁」は切るものの、函館市街地から新幹線駅までの移動時間も含めると東京―函館間は4時間半程度かかる。飛行機で羽田―函館間は約1時間20分で、空港までの移動を含めても時間競争では飛行機にはかなわない。

 同じ国交省の調査では首都圏と道南間の分担率は、新幹線開業で航空が88%から60〜70%台に減り、鉄道は12%から20〜30%台に増えたが、変化はわずかだ。競合がない分、航空運賃も下がらず、JR北海道の関係者は「飛行機との価格競争が起きなかった国内初の新幹線」と自嘲気味に話す。

■途中下車多く

 さらに、新幹線で首都圏などからの人を道内まで呼び込めていないことを示すデータがある。東北新幹線東京―新青森間の19年度の輸送密度(1キロ当たりの1日平均輸送人員)は、東京―大宮間の約17万人に対し、福島―仙台間は約7万人。仙台―一ノ関間は約4万人と大きく減り、八戸―新青森間ではさらに約1万人に減少する。東京からの乗客は途中下車が大半で、北海道新幹線に乗車する客が少ないことは明らか。新幹線開業で首都圏からの集客を期待していた道南の自治体関係者は「もともと無理ゲー(無理なゲーム設定)だったんです」と無力感を漂わせる。

 開業5年で見えてきたのは、新幹線で東京や首都圏から人を呼び込むという戦略の限界だ。全国の新幹線に詳しい青森大の櫛引素夫教授は「東京とつながることは経済的に重要だが、新幹線がかえって東京従属を強めている」と話し、首都圏だけでなく、東北などとの交流にも価値を見いだすべきだと指摘する。

 30年度末を予定している北海道新幹線札幌延伸まであと10年。新幹線を北海道の活性化のために生かすにはどうすればいいのか。開業5年の教訓を踏まえ、再考する時期に来ている。(徳永仁)



 北海道新幹線(新青森―新函館北斗間)が26日に開業5年を迎えた。道民の夢と期待を乗せて実現した新幹線は北海道の経済や観光、暮らしに何をもたらしたのか。札幌延伸への展望とともに考える。(7回連載します)


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