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新・鉄道綜合スレ

3341とはずがたり:2020/12/23(水) 14:14:15
>>3340
そこでJR東日本が目指すのは、動力車操縦者免許という電車の運転免許を持たない係員が先頭車両に乗り込み、前方の安全を確認しながら、万一の際は非常ブレーキを操作するという形のドライバーレス運転だ。

同社の社員約53000人中、運転士は約7300人にも達する。運転士の養成には厳しい適性検査と1年近い講習課程を経て、難関試験に合格する必要があり、長い時間と多額の費用を要している。運転資格を持たない係員の添乗で電車の運行が可能になれば、運転士の養成コストを引き下げることが出来る上、要員確保のハードルが下がり、限られた人材の有効活用が可能になるといった効果が期待できる。

運転士を添乗員に置き換えるドライバーレス運転では人員削減の効果は少ないが、この他にも車掌が乗務しない「ワンマン運転」化も同時に進める方針で、乗務員の省力化は今後ますます進むことになるだろう。

JR東日本は2020年度の新卒採用・中途採用から、従来「プロフェッショナル採用」と称していた鉄道現業職の採用枠を「エリア職」に改称している。プロフェッショナル採用は「鉄道事業を支えるプロとして、地域に密着し、現場第一線で活躍」する職種とされていたが、エリア職では「東日本の各エリアを軸にしたビジネスフィールドで地域社会の発展に深く貢献」する職種とされており、「鉄道事業」の文字が消えている。つまり今後は、鉄道の省力化によって浮いた人員を、鉄道以外の分野にも広く活用していくというメッセージである。

その最中に降って湧いたのが今回のコロナ禍であった。鉄道会社を取り巻く環境は急激に変化した。JR東日本が掲げた「ドライバーレス運転の実現」は、人口減少社会の進展により2030年頃に訪れる利用者と担い手という2つの不足への対応を見越したものだった。

ところが新型コロナの影響で鉄道利用者は大きく落ち込み、10年後に訪れるはずだった未来が突如、眼前に現れてしまったのだ。

鉄道事業を持続可能なものとするためには、ドライバーレス運転など省力化を一層強く推し進める必要がある。JR東日本は山手線と並行して新幹線のドライバーレス化に向けた技術開発も進めており、2021年11月から新潟駅と車両基地を結ぶ約5kmの区間で回送列車を用いた試験走行を実施する予定だ。全線が高架化または地下化され、独立したシステムである新幹線の方が、ドライバーレス運転の導入は早いとの見方もある。

JR東日本は4月から9月の上半期で2643億円もの赤字を計上した。鉄道の業績回復には時間がかかる見込みで、JR東日本の深澤祐二社長は民放のインタビューで2027年に運輸業と非運輸業の割合を現在の7対3から5対5まで引き上げる考えを示している。

そのためには鉄道から非鉄道へ人材のシフトが重要になる。山手線の自動運転化を始めとする運転業務の省力化は、JR東日本の将来を左右する重要な布石といえるだろう。


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