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新・鉄道綜合スレ

3295 荷主研究者 :2020/11/08(日) 13:34:39
>>3294-3295 続き

 JR西日本の京都―大阪間42・8キロを停車2駅、最速28分で駆け抜けるスピードを売りとする「新快速」は、京都より東の琵琶湖線(東海道線)では異なる顔を持つ。京都―米原間67・7キロは大津、草津、近江八幡など10駅にこまめに停車し、沿線住民の輸送を支えてきた。

 新快速がもたらした通勤・通学の利便向上で、京阪神のベッドタウンとして急発展した地域が滋賀県南部だ。かつて「新快速の停車」が市長選の候補者公約にもなった南草津駅(草津市)は、その象徴的存在と言える。

 同駅周辺では1994年に立命館大びわこ・くさつキャンパスが完成し、マンション開発も増加。学生と子育て世帯の移住で人口が増えた。住民や企業、大学などが6万人超の署名を集めてJR西に働きかけ、2011年3月のダイヤ改正で新快速停車が実現した。

 「停車が決まると街頭でビラを配り、地元は大盛り上がり。これを機に住宅開発に拍車がかかった」。署名運動に関わった草津市都市計画部の松尾俊彦副部長は振り返る。南草津駅は、開業20年の14年度に県内のJR駅で乗客数トップに躍り出て以降、今も首位を維持している。

 「ここ10年で駅の周辺は急速に発展した。開業当初は何もなく、琵琶湖対岸の花火が見えた」。南草津駅がある同市野路町の町内会長、中野宗城さん(69)は懐かしむ。池と田畑だった一帯には大型マンションが林立し、宅地造成が続く。

 不動産経済研究所の笹原雪恵・大阪事務所長は「新快速は京都、大阪の通勤圏を拡大させた。今やマンション開発は東は近江八幡、西は明石まで及んでいる」と指摘。「停車駅は都市部へのアクセスだけでなく、周辺に店やクリニックが集まる駅自体の魅力も大きい」とし、新型コロナウイルス感染症禍でも駅周辺の住宅需要は底堅いと分析する。

 一方で新快速の運転開始から半世紀たち、時代は人口減少に転じた。沿線地域の高齢化も徐々に進む。人口増が続く草津市も将来を見据え、市内にある草津と南草津の両駅を中心に、商業施設や医業機関などの都市機能を集中させるコンパクトシティー化を急ぐ。

 沿線のまちづくりにも大きな影響を与えてきた新快速。だが、節目に見舞われたコロナ禍で人の移動が止まり、大量・高速の旅客輸送という半世紀の間追い求めてきた価値観が揺らいでいる。「縮む社会」や「新しい生活様式」にどう対応するのか。JR西の看板列車は、岐路を迎えている。


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