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新・鉄道綜合スレ

2680チバQ:2019/07/22(月) 14:17:44
路面電車がV字回復、その結果… 計画は一部実現?
 地下鉄の事業計画では、広島電鉄の路面電車は地下鉄沿線から外れた区域だけ路線を残し、ほぼ廃止される予定でした。前述のとおり、市内における路面電車の運行状況は深刻なレベルで悪化し、年に10%以上の乗客が減り続け、ついには最高で約7億円もの赤字を出すほどでしたが、そうしたなかで広島電鉄は徹底した経費節約を行うなどして、路面電車を維持する姿勢をとりました。

 当時の広島電鉄は住宅開発で大きな利益を上げていたこともあり、持ちこたえるだけの余力も何とか残っていたのです。そして行政との粘り強い交渉により、軌道内への自動車の乗り入れ禁止、電車優先信号の設置など、電車の運行を安定させる施策が矢継ぎ早にとられていきます。広島県警も、路面電車の先進国である西ドイツへ視察を行ったほどで、安定した運行に力を尽くしました。こうして、広島電鉄の路面電車は急に息を吹き返し、前出の「広島都市高速鉄道計画」が発表された1971(昭和46)年には、単年黒字を取り戻すことに成功します。

 一方の地下鉄計画は、もともと市街地が河川の河口部に位置し地盤が悪いことから工事の難航が予想されていたうえ、1973(昭和48)年、1979(昭和54)と2度のオイルショックを経て建設費用も大幅に上昇し、宙に浮いてしまいます。そうしたなか、車両の大型化などを推し進めた広島電鉄は、20年間で乗客を4倍にまで増やし、単年で10億円近くの利益をたたき出すまでに躍進しました。こうして、人口に見合った輸送力を提供できるようになった路面電車を、わざわざ廃止してまで地下鉄を建設する意義は薄れていき、計画は進まないまま現在に至ります。

 頓挫した「広島の地下鉄」ですが、じつは一部実現している、と見ることもできます。前述したアストラムラインは1994(平成6)年に開通しましたが、その中心部側の地下区間およそ300m(本通〜県庁前)は、地下鉄の新線建設などに使われる国土交通省の「地下高速鉄道整備事業費補助制度」によって建設されました。また、2001(平成13)年には県庁前駅、本通駅と広島バスセンター、そごう広島店、路面電車の紙屋町停留場などを結ぶ地下街「シャレオ」が開業しましたが、これは、昭和の地下鉄計画のなかで予定されていた複数の交通拠点を結ぶ「連絡通路」が具現化したものといえるでしょう。

宮武和多哉(旅行・乗り物ライター)


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