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新・鉄道綜合スレ

2583チバQ:2019/04/23(火) 19:56:07
乗り換え前提で開業へ
 どう「厳しい」のか。

 現在の長崎新幹線の計画では、在来線とフル規格が混在する。だがFGTの運行が断念された今、在来線部分をどうするかが計画の最大の焦点だ。

 すでに武雄温泉―長崎間のフル規格区間が先行して工事され、同区間は22年度に暫定開業する予定だ。残る新鳥栖―武雄温泉間は当面、在来線を使い、「対面乗り換え方式」を採る。

 例えば博多から長崎へ向かう場合、今の在来線特急では1時間48分かかる。暫定開業後は、武雄温泉までは在来線特急を使い、武雄温泉で降りて、ホームの対面の新幹線に乗り換え、長崎へ向かう。乗り換え時間を含めて所要時間は最短で約1時間20分。現在からの時間短縮は「大幅」とはいえないレベルだ。

 国交省の言う「最も厳しい想定」とは、この対面乗り換え方式が今後50年間も続くと想定した、いうものだ。それでも一定のメリットがあるからこそ事業継続の必要性はあるとする。

決まらぬ整備方法
 それでは、この便利とは言えず、採算も高いとはいえない乗り換え前提の方式は今後どうするのか。それはまだ決まっていない。

 新鳥栖―武雄温泉間をどう整備するのか。この区間もフル規格にすれば、事業費は6200億円。在来線に新幹線用のレールも敷く、秋田新幹線や山形新幹線のような「ミニ新幹線」の場合は1800億〜2700億円かかる。

 フル規格なら、博多―長崎間は51分、ミニなら同区間は1時間13〜19分。当然フル規格なら利便性は大きく高まるが、多額の負担を誰がどう負担するのか。地元の長崎、佐賀県、国、JR九州の調整はつかないままだ。

 未着工区間の整備方式が決まらなければ、対面乗り換え方式が将来にわたって続くことになる。JR九州は、「収支採算性が成り立たない」として長期化は受け入れない立場で、長崎県とともに一刻も早くフル規格に決めて工事に入るように求めている。

 課題になるのが佐賀県の説得だ。フル規格にしてもミニ新幹線にしても、自県の負担額が増えるため、「二者択一から選ぶ立場にない」(山口祥義知事)と佐賀県は議論に応じない姿勢だ。

 佐賀県の負担額を軽くできないかを与党は話し合っているが、新幹線の負担ルールは全国一律で決まっており、ルール変更は簡単ではない。それでも、与党は6月にもフル規格かミニ新幹線か方向性を示すことを目指している。

着工判断に疑問符
 そもそも、投資効果が「0.5」という数字を突きつけられたのに、「完成させなければ損」という理屈で工事を続けることに問題はないのか。

 長崎新幹線は、FGTの採用を前提に置かなければ、投資効果が「1.0」を超えなかった可能性がある。ある関係者は「FGTのおかげで存命した新幹線」とも表現する。そのFGTが頓挫したのに建設を続けることに問題はないのか。

 財務省の関係者は、「投資効果の確認は、必要性の薄い新幹線計画に歯止めをかけるために重要な指標」と強調し、「1.0を割っても工事はできるという悪例にしてはいけない」と警戒する。しかし、整備方法を巡る議論が活発な一方、もはや工事を見直すという選択肢はほとんど議論されていない。

 1970年代に国がつくることを決めた「整備新幹線」の工事は長崎と北陸新幹線で終わる。そしてその後には、整備新幹線への格上げを狙う、四国や山陰などの「基本計画路線」が待ち構えている。

 甘い投資効果の見通しで建設を始め、前提が変わっても工事が続く――そうした事態を繰り返されれば、巨額の費用の負担は国や地方の財政、JRの運賃に跳ね返る。事業の着工前、着工後のより厳しい評価が関係者には求められている。(女屋泰之)

     ◇

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