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新・鉄道綜合スレ

2425とはずがたり:2018/12/13(木) 14:34:42
>>2424
■静岡はまだ本格着工に至らず

 非常口建設作業は順調に滑り出した。では、品川―名古屋間におけるほかの区間はどうか。

 リニアの停車駅は品川、名古屋のほかに神奈川、山梨、長野、岐阜の各県にも設置される。一方、静岡県はルート上にあるにもかかわらず、駅が設置されない。静岡県内の区間はわずか10km程度にすぎず、しかも山岳地帯である県北部をかすめるように走るため、周囲に集落はない。駅を設置しても利用者はいない。

 リニア工事の最大の難所とされるのが、山梨、静岡、長野にまたがる南アルプストンネルである。標高3000m級の山々をくぐり抜けるため土圧が高く、地中に何が眠っているかもわからない。そのため、山梨工区と長野工区ではいち早く本坑工事がスタート。しかし、静岡工区はまだ着工に至らず、9月に作業員宿舎の建設がようやく始まったにすぎない。静岡県では大井川の流量減少問題をめぐり、JR東海と県、自治体との間で対立が続いており、県が着工について了承していないためだ。

 南アルプストンネルは大井川源流域の地下を通過するため、トンネル工事に際して湧き水が生じ、それによって大井川の水量が減少する懸念がある。県は「大井川は水需要に対して水資源が不足気味の河川で、降雨が少ないと渇水状態になる」としており、過去25年のうち16年で取水制限を行っている。工事に伴う水量減少は取水する沿線自治体にとって死活問題になりかねない。

 この点はJR東海も配慮しており、当初、「トンネル工事による河川流量の減少分を大井川に戻す」と提案した。しかし、県側はトンネル湧き水の全量を大井川水系に戻すよう主張。両者の間には意見の隔たりがあった。

 その後、JR東海は県に歩み寄り、「ポンプアップ等を用いて全量を大井川に戻す」という姿勢に転じた。現在は「全量戻し」を前提にその方法や戻す水の状態について協議が重ねられている。

 計画では南アルプストンネルは山梨工区が2025年10月末まで、長野・静岡両工区は2026年11月末までに完成させることになっている。山梨工区は2015年12月、長野工区は2016年11月に着工しており、静岡工区も早急に着工したいところだ。

■2027年の開業目標は守れるか

 JR東海の金子慎社長は「スケジュールはタイト」と言う。だが、2026年11月末に予定どおりトンネルが完成しても、ガイドウェーなどトンネル内への機器設置や試運転を考えると、2027年の早い時期に開業にこぎつけるのは考えにくい。試運転には相応の時間がかかるだろうから2027年の年末になってもおかしくない。確かにぎりぎりだ。

 従って、トンネル工事が遅れれば、当然のことながら、2027年という開業時期は怪しくなる。とはいえ、「まず健全経営と安定配当があって、そのうえでリニアに全力投球する」というのがJR 東海の方針。何が何でもリニア工事を最優先するわけではない。つまり、工事の遅れだけでなく、景気後退による業績悪化や自然災害への対応など不測の事態が起きた場合は、開業時期が2028年以降にずれこむ可能性もあるわけだ。。

 2025年の大阪万博開催が決まったが、2020年の東京五輪後のビックイベントがリニア開業であることに異論を挟む余地はない。2027年を見据え、名古屋では大規模な駅周辺の再開発計画が進んでいる。品川駅も駅改良工事や駅ビル開発などの計画がある。

 その2027年に肝心なリニアが走っていないのでは画竜点睛を欠く格好になるが、安全面をおろそかにしたり、作業のクオリティーを下げたりしてまで2027年にこだわるという選択肢はJR東海にはないはずだ。2028年以降の開業という可能性も頭の片隅に入れておくほうがよいだろう。

大坂 直樹 :東洋経済 記者


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