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新・鉄道綜合スレ

2314とはずがたり:2018/10/01(月) 10:31:25
>>2313
 0系のすごいところは、車両だけでなく線路、信号なども含めた「高速鉄道システム」のひとつとして開発された点にあります。車両は車両として、設備は設備として個別に開発するのではなく、全ての分野を同時に、かつ総合的に開発した「トータルシステム」だったことが、一番重要なポイントだったといえます。

 まず、新幹線の線路は2本のレール幅(軌間)を在来線より広くしました。軌間は基本的に広ければ広いほど車体が安定し、とくに高速で運転する場合に適しています。さらに、並行する在来線よりも急なカーブや勾配が少ないルートを採用して、速度を出しやすくしました。

 また、鉄のレールと車輪を使う鉄道は摩擦力が小さく、ブレーキをかけてもすぐには止まれません。200km/hで走行中にブレーキをかけても、完全に停止するまでには2kmほど走ってしまいます。これでは踏切での無断侵入などに対応できず、大きな事故につながる恐れもあります。

 そこで新幹線は踏切をいっさい設けず、道路との交差は全て立体化することになりました。それ以外の場所でも築堤や高架橋などを通るようにして、一般の人が線路に近づけないようにしています。

 つまり、200km/h以上の速度で走るための新しい技術を開発したのではなく、60年以上前からある高速運転技術を活用できる線路を計画し、実際に建設したといった方がいいでしょう。…

モーターが多いのは「速度」よりも「軽減」
 東海道新幹線が開業する前に東京〜大阪間を結んでいた在来線の特急電車は、モーターを搭載した重い車両とモーター無しの軽い車両が編成中に混在していました。車両によって重さが異なり、とくに高速運転では線路にかかる力が大きくなります。これでは、せっかく建設した高速運転用の線路もすぐに劣化してしまい、メンテナンスの費用がかさんでしまいます。

 0系は全車両にモーターを搭載したことで、車両ごとの重さの変動を小さくできました。線路にかかる力も抑えられ、メンテナンスにかかる費用を軽減したり、鉄橋など大きな構造物の建設費用を抑えたりすることが可能になったのです。また、モーターを増やしたことで、ひとつひとつのモーターを小さくすることが可能に。その分客室を広くして、サービスの向上を図ることもできました。

 このように、新幹線の線路は0系が高速運転しやすい構造で建設され、逆に0系は高速運転用の線路に負担をかけない方式で開発されました。…

 海外の鉄道関係者のあいだでは、「シンカンセン」が高速鉄道の一般名詞のように使われています。新幹線が世界初の本格的な高速鉄道だったというだけでなく、線路や信号も含めた総合的な鉄道システムとして高く評価されているためと思われます。

 英国のヨークにある国立鉄道博物館は、「世界を代表する高速列車」としてJR西日本から0系の先頭車を譲り受け、2001(平成13)年から展示しています。これも「シンカンセン」が海外で高い評価を受けている、その証しのひとつといえるかもしれません。


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