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新・鉄道綜合スレ

218チバQ:2015/11/08(日) 22:57:19
東急大井町線の「各駅停車」は2種類ある


途中の駅を通過したら、「各駅停車」とは言えない。しかし、理由を聞けば納得だ。途中の駅を通過する「各駅停車」は、東急大井町線で運行されている。愛称は「みどりの各駅停車」だ。

大井町線にはもうひとつ「青い各駅停車」もある。「青い各駅停車」は大井町線の大井町駅から溝の口駅まで、すべての駅に停まる。しかし「みどりの各駅停車」は、二子新地駅と高津駅を通過する。どちらも「大井町線の各駅停車」だ。間違いではない。どうしてこんなにややこしいことになったか? その理由は、大井町線の延伸にあった。

東急大井町線は大井町駅と二子玉川駅を結ぶ路線だ。かつては両駅間で折返し運転を行い、例外的に田園都市線に直通する列車があった。大井町線は車庫が田園都市線内にあったため、田園都市線へ回送していた。その回送列車の一部を営業運転とし、大井町線が田園都市線に乗り入れる、という形だった。

乗入れ先の東急田園都市線は現在、渋谷駅から中央林間駅まで結んでいる。沿線は多摩田園都市として開発され、人気のベッドタウンとなった。沿線の人口が増えるにつれて、朝のラッシュ時の渋谷方面は大混雑となった。そこで2009年、大井町線を溝の口駅まで延伸し、同一方向のホームで乗り換えられるようにした。

二子玉川駅はホーム2面4線の構造だ。田園都市線が外側のホーム、大井町線が内側のホームを使っていた。そこで、二子玉川〜溝の口間を複々線とし、内側の線路を大井町線として延伸した。このとき、途中の二子新地駅と高津駅は、外側のホームだけになった。この2つの駅は田園都市線の駅で、大井町線の駅ではない、というわけだ。

こういう理由で、大井町線の「各駅停車」は、田園都市線の二子新地駅と高津駅を通過する形態となった。ここまでの経緯は南海電鉄の南海本線と高野線の関係に近い。阪急電鉄の阪急梅田〜十三間で、京都本線だけ中津駅がないという状態にも似ている。南海電鉄の場合は路線別に「普通」と「各停」の呼び方を使い分けている。阪急の場合は京都本線の列車種別として「普通」で足りる。

東急大井町線の場合、二子新地駅と高津駅は田園都市線の駅だから、大井町線としては通過しても「各駅停車」として差し支えない。ところが、もっとややこしいことに、大井町線の「各駅停車」には、二子玉川〜溝の口間で田園都市線側の線路に入り、二子新地駅と高津駅に停車するパターンも設定されている。

これは東急側の親切な計らいだ。じつは、もともと田園都市線は大井町線を延長する形で建設され、大井町と多摩田園都市を結ぶ路線だった。1977年に渋谷方面からの新玉川線が開通した後、1979年に現在の渋谷駅から多摩田園都市を結ぶ運行になった。だから、多摩田園都市に住む人々の中には、以前のように大井町方面へ向かう人も多かった。大井町線の二子新地駅と高津駅の停車は、いわば当時の名残だ。そして、これら2駅に停車する列車も「各駅停車」になる。

こうして大井町線の「各駅停車」は、二子新地駅と高津駅に「停車する」「通過する」の2種類になった。そこで乗り間違いを防ぐため、電車の行先表示の色を変えている。緑地に「各停」の文字は「二子新地駅と高津駅を通過」、青地に「各停」の文字は「二子新地駅と高津駅に停車」だ。

二子新地駅と高津駅は、大井町線の「みどりの各駅停車」に通過されてしまう残念な駅。しかし、大井町線の「青の各駅停車」と「田園都市線の各駅停車」はすべて停まるから、渋谷方面、大井町方面の両方に乗換えなしで行ける。残念どころか、とっても便利な駅であった。


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