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新・鉄道綜合スレ

1668とはずがたり:2017/10/06(金) 17:10:50
>>1667-1668
●鉄道を残して失うもの、鉄道を失って得るもの

 鉄道事業者が自治体に支援を求める。支援がなければ、バスや乗り合いタクシーなど、もっと安価な交通システムに切り替えたい。もはや鉄道事業者ではないけれど、鉄道事業者が交通に対して社会的責任を果たそうとすれば、交通事業者という広い視野を持たざるを得ない。

 民間の交通事業さえ成り立たない地域であれば、UberのようなITを活用したライドシェアが有効だと思う。Uberは15年にライドシェアサービスを開始した。しかし「自家用車の営業輸送は白タク行為」と指摘されいったん終了し、タクシー配車業務として継続。ライドシェアについては現在は少し緩和されており、京都府京丹後市で自家用車による有料輸送が認められ、北海道中頓別町で実証実験の段階になっている。

 私の母は76歳。横浜市北部、東急電鉄の駅からバスで10分ほどの家に住む。隣のブロックにコンビニがあり、最も近いスーパーまで約500メートル。便利な地域だ。買い物は徒歩。ちょっといいものを買おうと思ったらバス。いまだ健脚だけど、ご近所の方が気を遣ってくれて、時々買い物ドライブに誘ってくださる。重いものを買うときはありがたい。しかし、仲良しのご近所さんが引っ越してしまったら、ちょっと不便だ。母の住む地域は便利だけど、これがバス便のない、買い物難民地域だったら不便だろう …


 もし、自治体負担で鉄道を残したらどうなるか。鉄道というシステムは高コストだ。予算の多くを鉄道に振り向けた場合、自治体は他のサービスに使う予算を削らなくてはいけない。それは公立病院や学校の設備、道路の保守、公務員削減など多岐にわたるだろう。鉄道に固執したばかりに行政サービスが悪くなる。これでは移住もUターン就職も期待できない。

 本来はUberのようなライドシェアシステムを構築した方がいい規模の地域でも、鉄道を維持する予算のせいで実行できない。こうなると、市民にとって最適な交通手段を選択できていないことになる。

 過疎化が進む地域では、企業誘致や定住支援など、人口維持、税収確保のための投資が必要だ。それも鉄道予算に奪われてしまう。こうなると、鉄道を維持したせいで過疎化が進むという、本末転倒な事態になる。

 高コストな鉄道事業を見限った場合はどうなるか。上記とは真逆の展開を予想できる。自治体は地域活性化のための予算を増やせる。低予算で気が利いた交通サービスを展開できる。そして、鉄道が無ければ地域が衰退するなんて迷信だったと気付くだろう。事実、鉄道を失っても勢いを維持している町はあるし、世界に視野を広げると鉄道に依存しない大都市も多い。

●鉄道事業を廃止しても、鉄道の郷愁は残せる

 自治体が鉄道を維持して成功した例もある。ひたちなか海浜鉄道(茨城県)がその筆頭で、地域の人々と連携し、利用促進に尽力して、延伸まで果たそうとしている。他にも、観光列車やイベントを開催して集客し、地域にとって貢献していると解釈できる第三セクター鉄道もある。極論すると「地域と合意できており、地域の人々が満足していれば、鉄道は赤字でもいい」。自治体予算を注ぎ込む価値が見いだせるなら。

 しかし、意地や郷愁で鉄道を残し、赤字決算だ自治体補填(ほてん)だと騒ぐようであれば、鉄道事業としての線路の維持はやめた方がいいかもしれない。そう考えるようになった理由は、この春に訪問した旧神岡鉄道の「ガッタンゴー」(岐阜県飛騨市)がきっかけだ。神岡鉄道の廃止後、有志がレールに乗るマウンテンバイクを組み立て、アトラクションとして提供している。…

鉄道を廃止して観光開発して、約6000万円の売り上げ。赤字と売り上げという比較は乱暴だけれども、この数字を聞いてしまったら、鉄道事業を維持することが、本当に地域の活性化にとって良いことかどうか。鉄道ファンの私も考え込んでしまう。


(杉山淳一)


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