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新・鉄道綜合スレ

1626荷主研究者:2017/09/16(土) 19:03:15

https://www.hokkaido-np.co.jp/article/117385?rct=s_yurerutetsuro
2017年07/09 09:41 北海道新聞
2 福井 運休、混乱経て再生

 代行バスは通学の高校生らでごった返し、道路では車が長い列をつくった。福井県永平寺町の元県議和田高枝さん(76)の脳裏には、京福(けいふく)電鉄が運休した2001年から2年間の光景が焼き付いている。

■渋滞、遅刻続々
 同年6月24日、京福電鉄越前線で列車同士が正面衝突、約25人が負傷した。同社は、前年にも運転士が死亡する事故を起こしたばかり。国土交通省は即座に列車の運行停止を命じた。

 この頃、経営難でサービスが低下した京福電鉄に、利用者の不満が高まっていた。加えて福井県は、16年3月の世帯当たり自家用車普及台数が1・749台と、北海道の1・006台より多い、全国一の「マイカー天国」。和田さんは「京福は社員も不親切で、末期の国鉄のよう。『車があれば鉄道はいらん』と話す人は多かった」と振り返る。

 いざ代行バスが走ると、まちは混乱に陥った。ラッシュ時にはバスに乗り切れない人があふれ、代行初日は県立高だけで約250人が遅刻。時間通りに来ないバスを敬遠し、年間約300万人いた列車利用者の約4割が乗用車へ流れた。福井市中心部の渋滞はさらに悪化し、列車なら50分で行ける勝山―福井間が、2時間半かかることもあった。

 10月には京福電鉄が事業廃止届を国に提出し、廃線は秒読み段階に。「冬は高校生が雪の中、屋根のない停留所で傘をさし、来ないバスを待っていた。何とかせなあかんと思った」と和田さん。沿線住民に声を掛け、運休区間を歩いてバトンをつなぎ、再開を訴える「駅伝大会」を開くと、約600人が参加した。

 県も動きだす。鉄道を再開すれば、移動時間の短縮や渋滞緩和で投資額の1・2倍に当たる84億円の効果がある、との試算をまとめた。01年12月、第三セクターで路線を引き継ぐ方針を決め、同社との資産譲渡交渉や資金集めに奔走した。

 再開を願う世論の後押しを受け、沿線9自治体や企業の出資で「えちぜん鉄道」が発足。03年7月に一部路線で運行が始まる。10月には三国港―福井―勝山(53キロ)の全線が開通した。

■乗客は2割増
 再開後も、福井がマイカー天国であることに変わりはない。それでも16年度のえちぜん鉄道の利用者数は約356万人と、運休前を約2割上回る。列車増発や、切符を販売する添乗員を配置したほか、沿線市町と県が駅周辺に駐車場を整備し、駅まで車で来た人が列車に乗り換えやすい環境を整えてきた。

 県交通まちづくり課の平林透さん(52)は指摘する。「突然列車が止まった、あの経験があったから、住民に『鉄路を守らなあかん』という意識が芽生えた。これが大きい」

 07年には、県内の福武(ふくぶ)線(越前武生(えちぜんたけふ)―田原町(たわらまち)、21・5キロ)を運行する福井鉄道が自主再建を断念した。沿線3市は支援のため、鉄道の土地のみを所有し、国の補助を受けて新型車両を購入。16年3月に一部区間で、えちぜん鉄道との相互乗り入れが始まる。16年度の利用者数は約203万人と前年度を5万人上回った。

 6年後の23年春には北陸新幹線延伸に伴い、並行する在来線がJR西日本の経営から離れ、「福井第3の地方鉄道」が誕生する。平林さんは「既存の鉄道やバスと、ダイヤや料金で一体的なサービスをすれば、さらに利用は伸びる」と意気込む。公共交通の見えない力に気付いた福井では、官民一体の取り組みが続く。

<取材を終えて>
 問題意識共有 「自分たちで考えた形で走る列車に、お客が乗っているのを見ると本当に楽しいですよ」。えちぜん鉄道沿線を早朝6時から案内してくれた福井県庁の平林透さんは、生き生きとしていた。道内の公共交通の議論は、国、道、市町村とJR北海道が、負担を巡って互いにけん制し合う状態が続いている。平林さんは「関係者が問題意識を共有して話し合わないと後悔する」と語る。運休で鉄路の潜在力に気づいた当事者の言葉は重いと感じた。(報道センター 吉田隆久)


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