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新・鉄道綜合スレ

1590チバQ:2017/08/21(月) 15:47:54
地元の装飾を配置
2号車の上り方は海側に向けたいすとソファで構成、床の一部は菱形模様の寄木で意匠を凝らしている(写真:レイルマンフォトオフィス)

注目され、憧れを誘う列車とするため、また、JR九州の先例を超えてゆくため、このマルチカーの天井には金の電解着色を施し、組子(これは「ななつ星」から採用された福岡県大川の伝統工芸)が電照パネルの光を反射する、他のどこにもない贅沢な雰囲気とした。床には箱根の寄木細工や、最上級車両の天井ドームには伊豆のメーカーによるステンドグラスを巡らしている。実際のところ、各地に展開された“水戸岡デザイン”の列車は、一人の人間が編み出すものとして共通項が多いが、中に一つ、二つと土地のものを採り入れると、象徴的な存在になる。

現在、各地から人気が伝わってくる“レストラン列車”だが、しっかり改装して専用車両を作り上げ、従来のお弁当の枠に収まらない形で料理を提供した最初の列車、また、編成の中に食堂車があるという感覚でなく、列車そのものがレストランという形を築いた最初が、2013年に登場した肥薩おれんじ鉄道の「おれんじ食堂」。そして、その車両の内外装を手掛けたのも水戸岡鋭治氏だった。

「地上で食べるおむすびと、電車の中で食べるおむすびは味が変わる。地上で50点の味のおむすびが列車の中では60点や70点の味になる。景色が動き、心地よい揺れがあり、目的地に向かう期待でずっとおいしくなる。列車というシチュエーションは最もぜいたくな要素を持つ」と言う水戸岡氏には、“レストラン列車”が広まり始める前から、列車と食の関係を再構築しようという思いが強かった。

「どんなに美しい風景、例えば富士山であっても、地上ではじっと5分と見ていられない。ところが、車窓からは刻一刻と変化する様子を飽きずに見ていられる。さらに飲食が入ると、チラチラと見ながら1時間でも2時間でも過ごせる。会話も弾むし、急に旅の空間や時間が豊かなものになる。人間はほんらい動物であり、食べることを押さえるのが、いちばんの重要ポイント。鉄道もホテルも、自宅も観光地も、そこを押さえないと豊かと言えないし、うまくいかないのではないですか?」

観光列車で北海道の価値は高まる
水戸岡氏の話は、窮地にある北海道や、観光立国を謳う日本全体へと広がった。北海道こそは日本人にとっても、海外からの訪日客にとっても憧れの地であり、他では見られない雄大な車窓を持っている。現状ではその特徴が活かされぬまま、たんに単調な風景が延々と続き、人を退屈にさせてしまう“箱が移動するだけの”鉄道になってしまった。

北海道をもっと楽しむ観光列車を走らせれば、JR北海道の価値は高まる、との言葉も一般の放言とは異なり、おそらく頭の中にすでに絵も作戦もあるのだろう。すなわち、真剣に土地の持ち物を見つめ直して考え、多くの人々と関わって全体が盛り上がってゆく光景や、乗る人も沿線も憧れるような優れた商品価値を持った列車。その存在によって、人々は北海道の列車に乗りに訪れ、そしてまた応援の輪が広がってゆくとの確信もあるのだろう。

「国は観光立国と言うならば、国民に最高の旅をさせることが、いちばん大事な仕事。果たして今の日本は、そうした姿に向けて真剣に取り組んでいるか。乗った列車が楽しく、目的地の駅に着いたら、町がしっかりと整頓されており、快適に移動できるシステムがある。そのように景観や交通がコントロールされていれば、世界中から人々は集まってくる。観光は他の国や他者と諍いを起こす必要のない平和産業。日本はその要素を持っているのです」


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