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新・鉄道綜合スレ

1553とはずがたり:2017/07/26(水) 08:26:23
>>1552-1553
いったいどの車両のことなのか

ここで疑問が生じる。1億円とは、JR九州が2016年4月1日現在で保有する1677両すべての車両分の使用価値であるのか、それともたとえば九州新幹線用の新幹線電車であるとか、クルーズトレインの「ななつ星in九州」用の車両などに限られているのかという点だ。この点を推測してみよう。

念のためにJR九州が2015年度中に新たに導入した車両を調べてみた。使用価値の有無は、単純に製造年度の新旧で判断しているのではないかとも考えられるためだ。調べたところ、同社がこの期間に導入した車両は1両だけ。観光列車として知られる「ゆふいんの森」の増結用としてつくられたディーゼル動車(ディーゼルカー)であった。

減価償却資産の耐用年数等に関する省令によると、ディーゼル動車が含まれる内燃動車の耐用年数は11年だ。同社は固定資産の減価償却の方法として、鉄道事業固定資産のうち消耗品を交換する取替資産を取替法、建物は定額法を採用し、いま挙げた以外の固定資産は車両を含めて定率法を適用しているという。耐用年数が11年の固定資産の償却率は0.227である。

JR九州が導入した「ゆふいんの森」増結用のディーゼル動車は2015年7月から営業を開始したそうだ。実際にはこの車両を取得した月日が必要となるものの、ここでは営業を開始した7月を取得した月と見なしてみる。すると、2015年度の使用月数は9カ月となる。

肝心な数値を挙げていなかった。このディーゼル動車の取得費用である。国土交通省の「鉄道車両等生産動態統計調査」によると、2015年度は国内で42両のディーゼル動車が製造され、合計金額は69億4804万9000円であったという。したがって、この統計から推測できる1両当たりの金額は1億6542万9738円である。キリのよい数値として1億6500万円を用いてみたい。

いま挙げた条件で減価償却を行うと、2016年3月末日の帳簿価額は1億3690万8750円となる。1億円と比べると遠からずといったところだ。

「ななつ星」ならどうなるか?


「ななつ星 in 九州」の客車(撮影:梅谷秀司)
「ゆふいんの森」増結用のディーゼル動車はエンジンを搭載していない。このため、先ほどの統計から求められた平均値よりも低い可能性がある。そこで、今度は1億円という帳簿価額をもとに、償却率、使用月数といった条件は先ほどと同じと考えて車両の取得費用を逆算して求めると1.2億円となった。一見してもっともらしい数値ではあるが、同社の上場後に改めて確認したいところだ。

さて、「ななつ星in九州」用の車両は30億円以上であったという。こちらは客車7両とディーゼル機関車1両とで成り立ち、耐用年数は20年と定められている。償却率は0.125、営業開始は2013年10月であったから取得初年度の使用月数は6カ月として計算すると、2016年3月末日の帳簿価額は21億5332万0313円と求められた。

車両の総額である1億円に対し、仮に「ななつ星in九州」が該当した場合、実に20億5332万0313円分は営業収益が見込めず、該当しないのであれば21億5332万0313円分まるまる使用価値がないこととなる。

いずれにせよ、上場のために必要であったとはいえ、JR九州はずいぶんと思い切った手法を採ったものだといえるだろう。


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