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新・鉄道綜合スレ

1361とはずがたり:2017/04/09(日) 00:51:05
>>1359-1361
 JR貨物は17年3月期に鉄道事業が初めて黒字化する見通し。好調ぶりについて、同社は、
「国内総貨物量は減少しているが、トラックドライバー不足や環境問題を背景に、鉄道による貨物輸送量は増えている」
 と分析する。黒字化でアボイダブルコストのあり方も今後問われることになるだろう。

●無料道路との競争に

 北海道の苦境は国の交通政策に遠因があると語るのは、関西大学の宇都宮浄人教授だ。JR発足後も次々と高規格道路を開業させ、特にJR留萌線と並行する深川留萌自動車道、JR日高線と並行する日高自動車道(それぞれ一部)など国交省北海道開発局が開発する高規格道路は無料開放されている。
「これはイコールフッティング(平等な競争条件)ではない。道路と鉄道にかける予算の配分の適正化を国や自治体は考えるべきです」(宇都宮教授)
 高規格道路はそもそも、道内の自治体が求めてきた構図があると石井特任教授は指摘する。
「その結果、鉄道が苦境に陥った。今回維持困難とされた線区の地元自治体の首長は、自分たちがどう公共交通を維持していくか考えないといけません」

 日高線沿線にある新ひだか町の酒井芳秀町長は、レール上も道路も走れるバス「DMV」を日高線に導入すべきだと主張する。だが、「日高の公共交通を考える有志の会」を主宰する新ひだか町の高橋幸二さん(50)は、「DMVはメリットを感じられないし、鉄道にこだわっていては理想の公共交通は生まれない。そもそもの原因は鉄道による街づくりを行政が怠ってきたことだ」と厳しく批判する。国もJRグループも自治体も、問題をなあなあで先送りし、JR北の苦境をつくってきたのだ。

●インフラは国が責任を

 打開策はあり得るのか。観光情報サイト「タビリス」の鎌倉淳さんは、北海道にはポテンシャルの高さがあると言う。

「インバウンド客が集まっており、しかも団体客から個人客にシフトしつつあるため列車移動の需要は高い。今年2月に乗車した富良野線は外国人観光客でいっぱいで、高い運賃を設定するといいのではないでしょうか」

 もう一つの方策は、北海道新幹線の高速運転化だ。現在、整備新幹線部分の最高時速は法律で最高260キロと決められている。法律を変え360キロ運転を実現すれば30年度に札幌まで延伸予定の北海道新幹線は東京─札幌間が4時間を切る可能性があり、「航空機との競争で優位に立てる」(鎌倉さん)

 もっとも、老朽化した鉄路の改修や整備点検はこれからもJR北の経営を圧迫し続ける。宇都宮教授はJR北が主張する通り、インフラ部分を国や自治体が保有する「上下分離方式」が望ましいと主張する。
「本来、鉄道は道路同様、社会インフラとして国や自治体が地域全体の社会的な利益を考え、その土台を支えるべきもの。欧州で浸透しているこの考え方を、JR北海道の問題を機に日本でも広げていくべきです」

 JR北の経営好転の切り札になるかもしれない新幹線。そんな新幹線を渇望しているのが、四国だ。新幹線誘致の旗振りを務める「四国の鉄道高速化連絡会」は誘致の理由について、「人口減少対策のための基盤として、全国の新幹線ネットワークと結ぶことが不可欠」と説明する。一方、整備新幹線を地元にもつ青森大学の櫛引素夫教授(地理学、新幹線論)は、こう警鐘を鳴らすのだ。

「青森では在来線沿線の三沢市や野辺地町などが特急停車駅でなくなり、新幹線ができて利便性が低下して不満が根強く残りました。誰が得をし、誰が損をするかを検討しないまま建設促進論だけが強調されれば、地域に混乱を招く可能性もあります」

(編集部・福井洋平)


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