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ロシア・韃靼・ユーラシアスレ

927とはずがたり:2017/12/13(水) 22:10:02
>>926
プーチン大統領はトランプ政権誕生によるNATO弱体化を期待していたが、トランプ氏は改めて米国がNATO同盟国を防衛すると確約。この約束を裏付けるように、バルト3国に対する米軍配備を継続しており、ポーランド国境に新たな部隊を派遣した。そして、これはトランプ大統領が絶えず要求してきたせいもあるが、米国と同盟する欧州諸国は、ようやく国防予算の増額を進めている。

トランプ大統領は引き続きロシアとの関係改善を望んでおり、ロシア政府は今でもトランプ氏がいずれは希望に沿って行動するとの期待を抱いているかもしれないが、米国の政治力学的に、それが実現する可能性は低そうだ。

マティス国防長官、ポンペオ中央情報局(CIA)長官、ヘイリー米国連大使、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)など、米政権の一部閣僚は、ロシアに対して強硬姿勢を取っており、米ロ関係を改善しようというトランプ氏の試みに反発するだろう。

さらに重要なことは、仮にトランプ大統領が米ロ関係を正常化しようとしても、ロシアによる選挙介入を巡りトランプ氏やその近親者、顧問らがロシア側と共謀したとの疑惑が消えないなかでは、政治的にも、その実行は難しいだろう。

実際、秘密裏にロシアの手先となっているのではないかという疑惑を打ち消したいトランプ大統領にとって、ロシア疑惑捜査は、ロシアに対する強硬姿勢をアピールするインセンティブとなっている。ウクライナへの武器供与を唱える米政府当局者は、トランプ大統領のこうした立場に乗じようとしている。

プーチン大統領が中国との関係強化に動いたことも、一部の米国民が恐れていたような脅威には至っていない。中国の経済規模はロシアを圧倒的に上回っており、こうした経済不均衡の下では、両国が同盟を組むとしても、ロシアは格下のパートナーに甘んじる可能性が高い。

中国との軍事協力も見かけ倒しだ。両国の合同軍事演習は増えているが、いかなる意味でも西側諸国に対抗する正式な同盟誕生につながるリスクは低い。

プーチン大統領にとってさらに不都合なことに、ロシア政府は中国に対し最新鋭兵器を売り込もうと努めているが、それによって、ロシアの長期的な地政学的地位を損なうことにもなりかねない。

このユーラシア大陸の2大国のあいだには、数十年前に遡る基本的な不信感が今なお残っている。報復主義者としての中国が、もし歴史的に領有していたシベリア地域を取り戻そうとするならば、ロシアは、国家安全保障を犠牲にして短期的な経済的利益を求めたプーチン大統領の判断を悔やむことになるだろう。

誤解のないように言えば、プーチン大統領はいくつか明白な政治的な業績を主張できる。

シリアを巡る外交上の成功以外にも、中東主要国は、同大統領の顔色をうかがうことに余念がない。イスラエルのネタニヤフ首相は何度もプーチン大統領を訪問し、シリアにおけるイスラエルの権益を尊重するよう要請している。

また、多くの識者が歴史的な出来事と見なしているように、サウジアラビアのサルマン国王は10月、1500人もの代表団を引き連れ、サウジの指導者として初めてモスクワを訪問した。サウジ政府がロシアの最新鋭地対空ミサイル「S-400」を購入するという、注目すべき契約を含む複数の協定に両国は調印した。

プーチン大統領は「中東の仕切り役」として台頭したかもしれない。だが、それ以外の地域で稼いだポイントはごくわずかだ。プーチン氏を「政治的な天才」と持ち上げる主張は、現実ではなく神話に近いことにそろそろ気付いてもよい頃ではないだろうか。


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