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ロシア・韃靼・ユーラシアスレ

875とはずがたり:2017/07/06(木) 09:00:56
>>872-875
 12年11月、中国はモスクワで、「反日統一共同戦線」戦略を、ロシアと韓国に提案した。いつも書いているが、戦略の骨子は、

1.中国、ロシア、韓国で「反日統一共同戦線」をつくる。
2.中ロ韓で、日本の領土要求を断念させる。日本には、尖閣だけでなく、沖縄の領有権もない。
3.米国を「反日統一共同戦線」に引き入れる。

 中国は以後、全世界で大々的に反日プロパガンダを続けている(それで、安倍総理が13年12月に靖国参拝した際、中韓だけでなく、米欧ロ豪、台湾、までがこれを非難した)。さらに軍事的挑発を徐々にエスカレートさせ、領海、領空侵犯を常態化させている。今年8月、中国公船15隻と漁船400隻が尖閣周辺の海域に集結したことは、日本国民に衝撃を与えた。

 筆者が08年に「日中戦争」の可能性を書いたとき、「妄想」だと言われたが、今では普通に「あるかもしれないですね」と言われる。そして、日本の領土をあからさまに狙う中国は、すでにGDPで日本の2.5倍、軍事費で8倍の大国である(世界銀行のデータによると、日本の防衛費は15年470億ドル、中国は3858億ドル)。

 つまり、日本一国で中国に勝つのは、非常に難しい。では、同盟国の米国はどうなのか? トランプは、「日本がもっと金を出さなければ、米軍を日本から撤退させる」と宣言している。ヒラリーは、長年中国から金をもらっていたことが明らかになっている。

 一方、ロシアは「クリミア併合」時、「唯一味方になってくれた」ということで、中国とは事実上の同盟関係になっている。

●北方領土問題の最善策は 「棚上げ」である理由

 つまり、現状は以下のように整理される。

1.中国は、はっきりと尖閣・沖縄を狙っている。
2.米国は、トランプ、ヒラリーどちらも親日ではない。
3.ロシアは、中国と事実上の同盟関係にある。

 このような状況がさらに悪化すれば、日本vs中国・ロシアの戦争に発展しかねない。その場合、米国は中ロを非難する声明を出すが、事実上は不干渉を貫くかもしれない。そうなれば尖閣は中国領になり、沖縄も危険な状態になってくる。

 こういう緊迫した現状で、北方領土問題の解決は、(重要ではあるが)「最優先課題」ではありえない。

 では何が「最優先課題」なのか?まず第1に、米国との関係をますます強固にすることだ。これは、ヒラリー、トランプ、どちらが大統領になってもやらなければならない。

 第2に、ロシアとの関係を強化し、結果的に中ロを分裂させることだ。そのためには、ロシアの望むもの(=経済協力)を与えなければならない。しかし、ロシアに対し「慈善事業をしろ」といっているわけではない。「長期的に良好な関係を築こう」とすれば、「WIN-WIN」になれる案件を発展させる必要がある。

 ちなみに世界一の戦略家エドワード・ルトワックは、北方領土問題について、著書「自滅する中国」の中で、こう書いている。

<日本政府が戦略的に必要な事態を本気で受け入れるつもりがあるならば、北方領土問題を脇に置き、無益な抗議を行わず、ロシア極東地域での日本の活動をこれ以上制限するのをやめるべきだ。
 このこと自体が、同地域での中国人の活動を防ぐことになるし、ロシアが反中同盟に参加するための強力なインセンティブにもなるからだ。>(192p)

 このように、ルトワックは、北方領土問題の「棚上げ」を勧めている。

 もちろん、「2島先行返還論」をロシアが受け入れれば、それでもよいだろう。しかしロシア側が妥協するしないにかかわらず、ロシアが望む経済協力は推進していくべきだ。総理は、「日ロ関係深化は、対中国」という「大戦略観」を常に忘れないでいただきたい。

「北方領土返還実現」は確かに「歴史的」だが、「戦わずして、中国の戦略を無効化させる」ことは、真の意味で「歴史的」である。


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