したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

ロシア・韃靼・ユーラシアスレ

400チバQ:2015/06/30(火) 22:24:16
■中央アジア開発、険しい環境

 3月28日、中国が海南省博鰲(ボアオ)で開いたボアオ・アジアフォーラムの開幕式で、習近平国家主席が語った。「中国は世界に成長や投資の機会を提供する。皆さんとともにアジア発展の列車を走らせ、輝かしい未来に向かおう」。中国政府は同日、ある文書を公表した。

 題して「一帯一路のビジョンと行動」。一帯一路とは習氏が2013年に打ち出した、陸上と海上の二つの「シルクロード経済圏構想」を指す。構想の全体像を、初めて文書で公表した。

 64カ国に及ぶユーラシア大陸周辺の広大な範囲で、鉄道や道路、港湾、通信網などのインフラ建設を進める。世界人口の約6割、国内総生産は約3割に達する。構想はまだあいまいな中、商機を見こんだ各国がこの時期、AIIBへ駆け込む現象が生まれた。

 出発点は、アジアで20年まで8兆ドル(約1千兆円)とされるインフラ整備の資金需要だ。この数字を試算したアジア開発銀行(ADB)の年間の援助額約200億ドルでは、まったく届かない金額を誰が出すのか。中国には約3・7兆ドル(約460兆円)の外貨準備がある。大量に保有する米国債以外の投資先を、この巨大資金が探している。

 中国は、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカとの5カ国でつくるBRICS開発銀行の設立を昨年7月に正式決定。昨秋には、AIIBへの参加を呼びかける一方で、単独で400億ドル規模の「シルクロード基金」を準備した。

 今年5月、シルクロード基金による開発案件の第1号が公表された。パキスタン山岳部での水力発電計画。「政府の返済能力といい、環境への影響といい、国際金融機関なら審査を通るか微妙な案件」(北京の金融研究者)に、中国独自の資金が入る。

 中国の巨大構想に対抗するように日本の安倍晋三首相も5月、アジアのインフラ整備に今後5年間で1100億ドル(約13兆円)を追加支援すると発表した。上海国際問題研究所の薛磊研究員は「中国の一帯一路の発案をきっかけに、良性の競争が早くも生じている」と強調する。

 ただ、動き出した構想には、穴も多い。長年、中央アジアの開発に関わってきた援助関係者は漏らす。「中央アジアで国境を越える難しさを中国は分かっていない」。複雑な自然環境と不安定な政情、薄く散らばる人口。歴史上は廃れた「陸のシルクロード」を再現する意義は、経済的に見いだしにくいとみる。

 出そろった金融の道具を中国が使いこなせるのかという疑問も残る。「援助を受ける各国の経済事情に通じているわけではない。AIIBはしばらく、こちらの融資に共同で乗るしかない」。ADB内部では今、こんな「受け入れ」の準備も進んでいる。巨大な構想を巡って各国の期待が高まる一方で、中国の資金の流れ込む道は平らではない。(トビリシ=吉岡桂子、北京=斎藤徳彦)


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板