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ロシア・韃靼・ユーラシアスレ

1984とはずがたり:2022/09/08(木) 23:12:42
【社説】プーチン露大統領に焦燥の兆し
新たな脅しとイランや北朝鮮からの兵器調達は追い詰められている証拠
https://jp.wsj.com/articles/russias-ukraine-setbacks-11662611824
By The Editorial Board
2022 年 9 月 8 日 13:39 JST

 ロシアの対ウクライナ戦争は、ウクライナ側にわずかに有利な展開になったようだ。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が新たな脅しをかけていることと、ロシアが従来は兵器を供与してきた国々からの兵器調達に奔走していることは、それを示す一つの兆候だ。

 ロシアは2月の電撃作戦が早期の勝利で終わると予想していたが、紛争はこう着状態となり、ウクライナは現在、ロシアの兵たんを破壊し、領土を取り戻すために南部で反転攻勢に出ている。ロシアは軍需物資の備蓄を取り崩さざるを得なくなった。特にスマート兵器の補充に苦労しているのは、西側諸国による制裁で、最新兵器に使われるコンピューターチップなどの部品の対ロ輸出が禁止されているためだ。

 こうして、世界最悪のならず者国家であるイランと北朝鮮を相手にした、ロシア政府の「物乞い作戦」が始まった。米情報当局者らは5日、「深刻な供給不足」を緩和するため北朝鮮がロシアを支援していると記者団に語った。これは、イランがロシア政府にドローン(無人機)を供給しているという先月の報道に続くものだ。大国の地位を主張する国は通常、必要とする国々に兵器を提供するが、その逆はない。

 プーチン氏は7日、ロシアのエネルギー輸出をさらに減らす可能性を示唆したほか、黒海を通じたウクライナ産の穀物輸出を容認するという、自らが結んだ合意の破棄をも辞さない姿勢を示した。このことからも、プーチン氏の不安の度合いを測ることができる。ロシアは最近、パイプライン「ノルドストリーム1」を通じた欧州への天然ガス供給を停止した。プーチン氏は供給停止を延長して、その対象に石油と石油精製品を加えるとの脅しをかけた。同氏は寒い冬に向かう欧州の指導者にさらなる政治的圧力をかけたいと考えている。しかし、そのような供給停止はどんなものであれ、戦費となるロシア政府の収入にも打撃を与える。

 穀物に関して言うと、プーチン氏は今夏、ロシアが世界の食料不足の責任を問われないようにするために、ウクライナからの輸出を容認する合意を締結した。同氏は7日、西側諸国が途上国への食料供給を口実に、さまざまな面で自分たちを利するために合意を利用しているのは「あからさまな詐欺」だと非難した。

 しかし、プーチン氏は食料の市場がグローバルであることや、穀物輸出合意の目的の一つが、供給拡大を通じた食料価格の押し下げだったことを分かっている。価格が低下すれば、貧しい国々にも恩恵が及ぶ。プーチン氏はウクライナ産穀物の輸出を本当に停止させれば、それが引き起こす苦難について、責任を問われることになる。

 プーチン氏がウクライナ産穀物の輸出を本当に阻止した場合には、米国はプーチン氏に対し、ウクライナ産穀物輸送船の艦船による護衛を、有志連合諸国が検討するだろうと警告することも可能だ。同様の計画は、1980年代にイランの脅威への対策としてペルシャ湾から石油を運び出すタンカーを護衛するという形で、実施されたことがある。ロシア軍が人員と物資の不足に苦しむ中、平和的な護衛任務を遂行している西側諸国の船舶への威嚇に、プーチン氏が乗り気になるとは考えられない。

 ウクライナでの戦争の終結までの道のりは遠い。そしてプーチン氏は、残虐行為と脅しをエスカレートさせるかもしれない。しかしロシア政府のから騒ぎぶりは、ウクライナ側の抵抗とウクライナへの外国の支援の効果が表れていることを示している。プーチン氏が侵攻を継続するならば、ウクライナと最前線に位置する北大西洋条約機構(NATO)諸国に対するその策略を止めるためには、最新兵器の供給を続けることが極めて重要となる。ウクライナだけでなく、ロシアもまた苦しい状況にある。


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