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ロシア・韃靼・ユーラシアスレ

1655とはずがたり:2022/03/11(金) 12:33:48
>>1652-1655

想起されるのは、ウクライナ・EU連合協定批准の顛末です。2016年4月にオランダで同協定の批准を問う国民投票が実施され、反対が61.0%と多数になってしまいました。EU側はやむなく、対ウクライナ関係をトーンダウンさせることで、事態の収拾を図りました。すなわち、2016年12月に開催されたEU首脳会議で、「連合協定はウクライナにEU加盟候補国としての資格を与えるものではない」旨を改めて申し合わせ、これによりどうにかオランダに納得してもらい、批准を得ることができたのです。こうした苦労を経て、連合協定はようやく2017年9月1日に発効したのでした(DCFTAは、協定そのものの発効を待たずに、2016年1月1日から暫定的に適用された形でした)。

EU側には、もともとウクライナを加盟候補国とするつもりはありませんでしたが、欧州理事会決定の付属文書に、「連合協定はウクライナにEU加盟候補国としての資格を与えるものではない」と明記されたことは、重い事実となりました。つまり、上で述べたような、ウクライナ憲法にEU加盟路線が明記されたとか、ゼレンスキー大統領がEU加盟路線を引き継いでいるとか、国民の半数はEU加盟に賛成とかいった話は、今のところすべて、ウクライナ側の片思いなのですね。

服部倫卓 一般社団法人ロシアNIS貿易会・ロシアNIS経済研究所 所長

1964年静岡県生まれ。一般社団法人ロシアNIS貿易会・ロシアNIS経済研究所で所長を務めており、主に機関誌の『ロシアNIS調査月報』の編集を担当。『不思議の国ベラルーシ ―ナショナリズムから遠く離れてー』、『ウクライナを知るための65章』(共編著)など著作多数。趣味は音楽鑑賞(主に1950〜1970年代のソウル、ロック、ポップス)と、サッカー観戦(清水エスパルスのサポーター)。ブログ は毎日更新。


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