したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

ロシア・韃靼・ユーラシアスレ

1652とはずがたり:2022/03/11(金) 12:31:04
1年前の記事。ロシア経済圏を出てEU経済圏へ入ろうとするウクライナに怒りを溜め込んでたプーチンってのがよく判るがやり方が拙速過ぎる。

迷宮ロシアをさまよう
2021.03.23
ウクライナとEUの関係はどこまで深まったか
https://globe.asahi.com/article/14291695

DCFTA発効から5年

かつてロシアは、自らが主導するユーラシア統合への参加を、V.ヤヌコービッチ政権のウクライナに、執拗に迫っていました。しかし、2014年に発生した政変の結果、ヤヌコービッチ政権は崩壊、ウクライナは欧州連合(EU)との提携を選択し、現在に至ります。ロシアを盟主とするユーラシア経済連合は、2015年に成立はしたものの、そこには「本命」ウクライナの姿はなく、ロシアの思惑は大いに外れたわけです。

さて、ウクライナとEUの関係は、このほど一つの節目を迎えました。両者によって結ばれた「連合協定」の柱である「深化した包括的な自由貿易圏(DCFTA)」が発効してから、5年が経過したのです。小括しておくのには良い機会ですので、今回のコラムでは連合協定およびDCFTAについておさらいするとともに、グラフをお目にかけながら、ウクライナとEUの経済関係がどれだけ深まったかを概観してみたいと思います。

曲折を経て発効したDCFTA

EUは、旧ソ連構成諸国のうち、地理的に欧州に近い一連の国を対象に、「東方パートナーシップ」という協力枠組みを打ち出し、同諸国との「連合協定」の締結を進めてきました。現在までに実際にそれに応じたのが、ウクライナ、モルドバ、ジョージアでした(→とは註:これらの国々は今回のロシアのウクライナ侵攻を機にEU加盟を申請)。協定の柱となっているのが、「深化した包括的な自由貿易圏(DCFTA)」です。単なる自由貿易圏(FTA)に留まらず、双方間の貿易経済活動にEUのルールを浸透させ、ヒト・モノ・カネの動きをより活発化しようという点に眼目があります。

2014年2月にヤヌコービッチ政権が崩壊すると、それを受けて成立したウクライナ暫定政権は、3月21日に政治条項に限定した形で、EUと連合協定に調印。他方、EUは協定の経済条項に含まれるDCFTAを先取りする形で、4月16日付の欧州議会・理事会規則(4月23日発効)により、ウクライナ産品に対する関税を片務的に減免する措置を打ち出しました。その後、5月25日投票の選挙でP.ポロシェンコが当選し、6月7日に第5代ウクライナ大統領に就任。これを受け、6月27日のブリュッセルにおけるEUサミットの席で、連合協定(残されていた経済条項)への最終的な調印が行われました。

連合協定の大きな柱が、第4編で打ち出されているDCFTAです。これにより、EU側は全品目の96.0%に対する関税を撤廃することになり、その大多数は即時の撤廃でした。ただし、「関税割当」と称して、一定の量までは無関税で輸入できでも、それを超えると関税が課せられる仕組みが適用される品目もあり、農産物・食品がその対象になりました。それに対し、ウクライナ側も全品目の97.1%に対する関税を撤廃するものの、EU側よりも全般的に長めの移行期間が設けられ、経済力の劣るウクライナに配慮した形となりました。

しかし、そこでロシアが再び横槍を入れます。ロシアは、ウクライナ・EU間のDCFTAが成立すれば、安価で競争力の強いEU産品がウクライナに溢れ、それがウクライナ産品と偽装されCIS自由貿易条約の枠組みにより無税でロシアに流入し深刻な被害が発生する恐れがあるので、DCFTA発効のあかつきにはロシアはCIS自由貿易条約の例外措置としてウクライナ産品に関税を導入すると警告したのです。

もっとも、競争力のあるEU産品がウクライナ経由でロシア市場に流入するという脅威が実際にあるのかという点に関しては、多くのロシアの専門家も懐疑的でした。ロシア科学アカデミー・ヨーロッパ研究所のA.バジャンはずばり、ロシアはEU産の安く高品質な商品がウクライナ経由で流入することを本気で恐れているのではなく、ウクライナとEUの関係構築がNATOとの関係拡大にまで発展することこそが核心的な懸念なのだと指摘しました。

ロシアの真意はさておき、泣く子とロシアには勝てぬというわけで、2014年9月に開催されたウクライナ・EU・ロシアの閣僚級会合で、ウクライナ・EUの連合協定のうち、DCFTAにかかわる条項の適用を、2016年1月まで延期することが決まりました。ただし、その間、EUは2014年4月から片務的に適用してきたウクライナ向けの優遇関税を2015年末まで延長し、ウクライナが引き続きその恩恵に被れるように配慮しました。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板