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ロシア・韃靼・ユーラシアスレ

1644とはずがたり:2022/03/11(金) 10:06:24

連合協定署名停止が発表された直後から、キエフの独立広場にはこれに抗議する大学生を中心とした数千人の市民が集まり、2013年11月30日深夜、機動隊がデモ隊を強制排除したことから、多数の負傷者が発生した。警察の若者に対する暴力は国の将来に対する暴力であるとの意識がキエフ市民の間に芽生え、翌日にはデモ隊は数万人規模まで拡大した。市民の要求は、連合協定の署名から大統領・政府退陣に変わり、政権に対する不満が爆発したのである。その後も、強制排除や「デモ規制法」成立もあったが、そのたびにデモは過激化しながlらウクライナ西・中部にも拡大していった。犠牲者の拡大を受けて、EUがポーランド、独、仏外相を、また、ロシアが全権代表を仲介役としてキエフに派遣し、ヤヌコーヴィチ大統領と野党3党首の合意による事態解決が図られることとなった。2014年2月21日、ロシアを除くEU3カ国が保証人となり合意文書が署名され、国会に当たる最高会議はその履行のため、大統領権限を限定した2004年憲法復活の法案を成立させるも、大統領が国外に逃亡し、政権が崩壊した。

ウクライナ憲法は、大統領の職務放棄と逃亡は想定しておらず、国家機関のうち唯一機能していた最高会議が大統領の解任とトゥルチノフ最高会議議長の大統領代行任命、5月25日の大統領選挙実施を決定した。他方、ロシアは、憲法が規定する大統領解任手続きが遵守されていないことを理由に、政権転覆で誕生した現ウクライナ政権は正統性を欠いていると主張している。

クリミア情勢の推移と背景

政権崩壊前後からウクライナ西部の民族主義者や過激派がクリミアにも移動してくるとのロシアの報道が見られたが、2月23日、ロシア黒海艦隊が駐留するセヴァストーポリ市では、ウクライナ新政権に異を唱える親ロシア派による抗議活動が発生し、市民が新市長を選出、27日未明には所属不明の武装勢力によりクリミア自治共和国最高会議および政府庁舎が占拠され、アクショーノフ「ロシアの統一」党党首が新首相となり、クリミア自治共和国の権限拡大に関する住民投票の実施も決定された。プーチン大統領はこの武装勢力を地元の自警団としているが、装備品等からロシア軍兵士であることは明らかである。ウクライナや欧米の抗議と制裁にもかかわらず、3月16日にはクリミアで住民投票が実施され、翌17日にはクリミア議会が独立を宣言、18日には「クリミア共和国」とセヴァストーポリ市がロシアに編入された。ロシアによるクリミア編入で特に興味深い点は、そのレトリックである。キエフの反政府デモで結成された自警団に呼応させる形で、ロシア軍兵士も自警団とされている。さらに、アクショーノフ・クリミア「首相」の選出も、キエフの政権崩壊と同様に、クリミアの住民の意思によるものとされ、クリミアの独立もコソボの独立と同じであるとの主張で、過去の例に対応させている。

ロシアがクリミア編入に至った動機として、明らかに親欧米色の強い政権が誕生したことに加え、クリミアの戦略的重要性および歴史的経緯の2点が指摘される。クリミアの戦略的重要性については、黒海艦隊が駐留していることからも明らかではあるが、その駐留期限は2042年であった。また、周辺の未承認国家であるモルドバの沿ドニエストル、グルジアのアブハジアおよび南オセチアにはロシア軍が既に駐留しており、マルチューク元ウクライナ首相は、ロシアはNATOに対応することを目的に黒海周辺に安全保障ベルトを構築することを目指していると指摘している。クリミア編入により、ロシアは黒海艦隊の常駐を確保し、この安全保障ベルトを強化することが可能となった。


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