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ロシア・韃靼・ユーラシアスレ
1454
:
チバQ
:2021/06/13(日) 23:16:48
◇向上した市民生活
私がベラルーシを再訪したのは19年晩秋だった。9年の月日がたってもルカシェンコ政権の独裁が続き、ミンスクで話を聞いた多くの人たちは政治の変革に希望を抱いていなかった。「10年の大統領選の直後(に弾圧されて)から、人々が政治運動に参加しなくなった」。こう嘆いていたのは野党の社会民主党代表を務めるイーゴリ・ボリソフ氏だ。
それでもベラルーシには、ある変化が訪れていた。ルカシェンコ政権はミンスクにIT産業の集積地区を設けるなどして、産業の育成に努め、ベラルーシは「東欧のシリコンバレー」と呼ばれるようになっていた。例えば、日本の楽天グループが提供するメッセンジャーアプリの「バイバー」もベラルーシ発の技術が使われている。
変化の波は市民生活でも見てとれた。もはやタクシー会社に電話する必要はなく、スマートフォンのアプリを使えば、タクシーを呼べる。行く先々でクレジットカードを使って会計を済ませられるなど、キャッシュレス経済も根づき始めていた。
このときの私は主にベラルーシのIT産業の成長を取材したこともあり、治安当局から警告を受けることはなかった。複数の在留日本人からは「静かで落ち着いており、本当に住みやすい街だ」との声を聞いた。政権が過敏になる点に触れない限り、ベラルーシは居心地の悪い国ではなかった。
警察国家でありながらもベラルーシは「緩い」一面があった。ミンスクの空港をトランジットで使うときに、入管の対応はいつも違った。ある時はトランジットの審査を受けた後で車に乗せられて、モスクワ行きの便の搭乗口まで運ばれたし、別のときはターミナル内を歩いて搭乗口に行くのを許された。一緒になった利用客から「ここの空港はいつも対応が違うから困るんだ」と声が漏れたこともあった。
◇国民との間をつなぐ糸が切れた
ところが今のベラルーシは警察国家の顔をむき出しにしている。ルカシェンコ氏は20年8月の大統領選で6選を狙い、最初は無風選挙になると踏んでいたようだ。だが、予想以上に国内の支持を失っていることが分かると、なりふり構わず警察に対立候補を次々と逮捕させて、排除した。
投票日には多くの選挙違反が伝えられたことから、国民が抗議の声を上げると、治安機関は容赦なく弾圧に踏み切った。この様子を映した動画が拡散されたことから、国民の反発は更に強まった。これまでも抗議活動を抑えつけてきたルカシェンコ氏だが、ソーシャルメディアが発達したことにより、その様子が広く伝わり、一気に国民からの信頼を失ったようだ。「ルカシェンコ政権が大統領選の当日に力ずくで弾圧したことから、それまで国民との間で何とかつながっていた細い糸がぷっつりと切れてしまったように見えた」。今年4月までベラルーシの日本大使館で専門調査員を務めていた岡本広樹さんはこう話す。
現在のベラルーシでは抗議活動は下火になっているが、それは政権が反体制派を強権によって抑え込んでいるからだ。その延長線上で起きたのが、冒頭で触れた、民間機を強制的に着陸させた件だった。
5月23日、アテネ発のアイルランドの格安航空会社ライアンエアの旅客機がリトアニアの首都ビリニュスに向かっているさなかだった。同機がベラルーシ上空に入ると、ベラルーシの航空当局から「機内に爆弾が仕掛けられている」との理由で緊急着陸するように勧告された。さらにベラルーシの戦闘機が同機に近づき、半ば強制的にミンスク空港まで誘導した。その後に機内にいた反政権派の男性ジャーナリストが治安当局に拘束されている。
ルカシェンコ氏の目的が何だったのかを推し量るのは難しくない。自分に逆らうジャーナリストを拘束するためには、戦闘機まで送り出すことを辞さなかったのだろう。ベラルーシ当局は強制的に着陸させたわけではないと強弁しているが、国際社会でその主張を信じる向きはほとんどない。
曲がりなりにも国民とルカシェンコ氏の間にあった共存関係は崩れ、大多数の国民にとって、もはやルカシェンコ氏が受け入れられる存在でなくなったのは明白だ。今回の民間機の強制着陸により、国際的な信用も地に落ちている。
今は後ろ盾となるロシアが支える構えを見せているが、どこかの段階で国内の支持を失ったルカシェンコ氏を見限る可能性は捨てきれない。いつベラルーシに変化が訪れるのかは定かではないが、ルカシェンコ氏による統治は、「終わりの始まり」という一章に入っているのではないだろうか。【大前仁】
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