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ロシア・韃靼・ユーラシアスレ

1369チバQ:2020/10/25(日) 22:43:04
居抜き政権?
ロシアのプーチン大統領(右)とベラルーシのルカシェンコ大統領=2019年12月20日、サンクトペテルブルク

 とはいえ、プーチン政権は2014年のウクライナ軍事介入に際しても、当初は「ロシア軍はいない」と平気で言い放っていた。ロシア連邦保安局(FSB)の旧ソ連圏での自由な活動や、ベラルーシとの軍事同盟などに鑑みると、ロシアの治安部隊が既にベラルーシ入りして政権側に加勢している可能性もある。

 軍事力でない「ソフトパワー」も同様だ。大統領選後のデモで、かつてルカシェンコ大統領の大票田だった国営企業がストライキを決行し、政権の「プロパガンダ機関」であるメディアでもストや離職が相次いだ。すると、国際放送RTをはじめとするロシア国営メディアが次々とベラルーシに入り、政権の「スピーカー」役を果たし始めた。両国ともロシア語が公用語だからこそできる芸当で、プーチン大統領はある意味メディアも乗っ取ったことになる。ルカシェンコ政権が並行して、欧米メディアの大半の記者証を取り上げたのとは百八十度の違いだ。

 ロシアとしては「有事」という認識なのかもしれないが、ベラルーシの民意不在のまま、連合国家創設条約とは別の次元で、両国政権の「統合」が進められているのが実態だろう。ルカシェンコ大統領の権威が失墜する中で、プーチン大統領が間接統治に乗り出す「居抜き政権」に近づいているのかもしれない。

 そうすると、ルカシェンコ大統領が提案した「憲法改正」による事態収拾も、連日の電話会談でプーチン大統領が「振付師」として入れ知恵した可能性すら考えられる。改憲や政権移行といった美辞麗句を建前に、ロシアが友好国で独裁者の延命を図ってきたことは、シリア内戦で実証済みだ。実際、就任式の強行によって、再選挙のシナリオは早くも事実上ほごにされている。

ロシア流の弾圧
ノーベル文学賞作家スベトラーナ・アレクシエービッチ氏=2020年8月26日、ミンスク

 こうしたなりふり構わぬロシアの介入に、ベラルーシの反政権派や国民は当然反発を強めている。「外国の介入は容認しない」というプーチン政権の立場は、自らへの非難を欧米に転嫁しようとする試みに他ならないだろう。

 反政権派は、ウクライナ政変のような流血の事態を回避すべく、対話による解決を目指して「調整評議会」を創設。選挙のやり直しを模索した。ところが、ルカシェンコ政権は対話に応じるどころか、ロシアの全面支援を受けて弾圧をより強化。具体的には、反政権派幹部を拘束したほか、拉致した上で無理やり出国させる強硬措置に出た。

 ちなみに、反政権派を国外に追いやったり、活動を制限したりする手法は、プーチン政権が近年、ロシアで採用しているものに似ている。元石油王ミハイル・ホドルコフスキー氏は恩赦後に欧州に逃れ、活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏は毒物投与後にドイツでの治療を余儀なくされているところだ。

 翻ってベラルーシで、調整評議会の幹部会メンバー7人のうち、自由の身なのは15年にノーベル文学賞を受賞した作家スベトラーナ・アレクシエービッチ氏だけだ。大物を拘束すれば国際社会を敵に回すことだけは、政権も理解しているらしい。

 拘束されたユーチューバーの夫に代わって大統領選に出馬し、事実上の野党統一候補として「勝利」を主張する主婦のスベトラーナ・チハノフスカヤ氏は、欧州連合(EU)加盟国の隣国リトアニアに逃れている。そもそもベラルーシ国民の多くはウクライナの親欧米派と違って、EU加盟を求めていなかった。しかし、ロシアの影響力が強まるに従い、チハノフスカヤ氏の物言いにも変化が見え始めている。


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