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テレビ・ラジオの局と番組のスレッド

527とはずがたり:2016/11/03(木) 19:20:03
>>525-527
 また、79年にはもう一つの人口ボリュームゾーンである団塊ジュニアも小学校低学年で『サザエさん』を見ていたはずだ。彼らが30歳になった2000年代初頭に視聴率が高かったのは、彼らが子供と一緒に『サザエさん』を見ていたからではないだろうか。そしてその子供たちが『サザエさん』を卒業する年齢になり、同時に団塊の世代が70歳に近づいていくにつれて、視聴率がゆっくりと右肩下がりになってきたように見える。

 90年代まではズレがあっても、800万人以上いた団塊の世代のボリューム感がそれを隠していたのだろう。それがフェイドアウトしていくにつれて、現実社会とのズレが、新たな視聴者をつかむ時に障壁になっている。それが現状だとすると、いろいろなことが説明できるように思う。

どうするフジテレビ 今後の「サザエさん」巡る3択

 では、これから『サザエさん』はどうすればいいか。フジテレビが取るべき道として、考えられる選択肢は以下の通り。

 (1)これまで同様に放送を続ける。
 アニメのキャラクターは、役者本人と強固に結びついた実写以上にデリケートで、キャラクターの構成要素を変えると同一人物に見えなくなってしまう。変に時代に合わせてキャラクター像や設定をリニューアルするより、昔のままでやっています、というほうが人気が出るはず。また、変わらないほうがフジテレビの「看板」としての価値も変わらない。

 (2)放送枠を変更する。
 ともあれ日曜午後6時半枠であれば期待される視聴率も高い。局の「看板」であることを貶おとしめずに、低視聴率のリスクを減らすならば、「年2回のスペシャル番組にする」とか「ワイドショーなどの番組内番組にする」という手も考えられる。

 (3)終了する。
 後番組が『サザエさん』以上に愛され、視聴率をとるかどうかは未知数過ぎる。だが、ちゃんと人気のあるうちに花道を用意するのも、作品を守る道ではある。

 ここにはキャストの高齢化の問題も絡んでくる。『サザエさん』の声優陣はこれまでにもちょくちょく変更されている(現在のマスオは2代目、カツオ、ワカメはそれぞれ3代目)。だが近年、放送開始直後から出演していた波平役の永井一郎、フネ役の麻生美代子が相次いで交代したことで、多くの視聴者に「声が変わった」という印象を強く与えることになった。

 これで放送開始から出演しているのはサザエ役の加藤みどりと、タラオ役の貴家堂子だけになってしまった。主役のサザエを含め、キャストが全員替わっても視聴者はついてきてくれるか。3年後の放送50周年という節目もあることだし、花道を作って終了するというのも選択肢のひとつとしてはありえるだろう。

 シーラカンスが生き延びたのは、深海の環境が長期にわたって変化しなかったからだと考えられている。『サザエさん』というシーラカンスも、奇跡的な環境に守られてここまで生き延びてきたのだ。スペシャルな存在として“保護”するのか、大衆娯楽の常で“新陳代謝”の時が来るのか。そういう観点からも『サザエさん』のこれからに注目だ。
(※文中の視聴率のデータは、いずれも関東地区の番組平均世帯視聴率で、ビデオリサーチ社から掲載許諾を得たもの)

プロフィル
藤津 亮太( ふじつ・りょうた )
アニメ評論家。1968年生まれ。新聞記者、週刊誌編集を経て、2000年よりフリーライターとしてアニメ関係の取材・執筆を始める。著書に『「アニメ評論家」宣言』『チャンネルはいつもアニメ ゼロ年代アニメ時評』。アニメニュースサイト「アニメ!アニメ!」で時評「 四代目アニメの門V 」、配信&メルマガ「 アニメの門チャンネル 」。


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