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テレビ・ラジオの局と番組のスレッド

507とはずがたり:2016/08/29(月) 21:37:10
>>506-507
しかしこの論理がここ数年、通用しなくなってきた。
スマホが普及し、生活者の多くはテレビ以外に“暇つぶし”“慰安”を求めるようになってきた。電通総研の調査では、スマホ所有者のアプリ起動率は、テレビのHUTを上回り始めている。そこで行われているのは、ソーシャルメディアで知人・友人とのコミュニケーションやゲームなどが大半を占める。テレビを見ながらという人も少なくないが、明らかに意識はテレビからスマホに移り始めている。

テレビ番組を見るより、ネット上の動画を見る人も増えている。
NHK放送文化研究所『日本人とテレビ2015』によると、インターネットに毎日接触する人は、2010年と比べ2015年は急増している。ハイティーンから30代に至っては6割以上、40代で5割強、50代でも4割ほど、60代でも2割に達する。

その中で動画を「よく」「ときどき」見る人は、テレビよりネット動画を面白いと思う人が増えている。見逃したテレビ番組を動画サイトで見る人や、暇な時はテレビよりネット動画を見る人も出てきているのである。
つまり家に帰るとついテレビを付けるのではなく、ネット動画を探す人も増えている。“暇つぶし”“慰安”のためにテレビ番組を見る行為は減っているのである。

『サザエさん』急落回の背景

『サザエさん』の視聴率が直前数回と比べ急落した回にはほとんど原因がある。
14年5月3日は13.5%、15年5月3日も10.9%で、その前数回より急落していたが、両方ともゴールデンウィークの真ん中の日曜日。明らかに『サザエさん』よりレジャーが優先した人が多かったと思われる。
14年8月31日の10.9%・15年8月23日の8.8%は、日テレ『24時間テレビ』に大幅に食われていた。
今年5月22日の7.7%は、歌丸師匠の最後の司会で『笑点』が拡大版となり、視聴率も27.1%と裏番組を大きく食っていた。
その後『サザエさん』は11%台が頻発し、7月3日には9.9%を記録してしまう。これら一連は、『笑点』の司会者が交代して視聴率が20%前後を獲るようになり、直後の『バンキシャ』もブリッジ効果で数字を上げたことも関係している。しかも今年4月以降は、熊本地震を初め大事件が頻発し、報道番組のニーズが高まっている。
極め付けは8月14日の8.2%。リオ五輪の最中で、この日は卓球女子団体が準々決勝でオーストラリアを下している。NHKの『ハイライト』と『首都圏ニュース・気象情報』が要因に加わっていた可能性が高い。

“脱テレビ”の意味

つまり“暇つぶし”“慰安”のために見る人が多い『サザエさん』は、他の目的が生ずると真っ先に見られなくなるタイプの番組なのである。今年頻発している視聴率一桁は、大半がこれで説明ができよう。
そしてより深刻なのは、「“暇つぶし”“慰安”のためにテレビを見る」という行為が減っている点だ。スマホが普及しソーシャルメディアを使う時間が増えているように、テレビのライバルが屈強になっている。デジタル録画機の普及も、「“暇つぶし”“慰安”のためにテレビを見る」を圧迫している。
筆者はこういう状況を“脱テレビ”時代とみる。よってテレビ局は、これまで強かった番組がそうでなくなる事態を想定し、見てもらうための新たな要素を加えていかなければならなくなっている。
『サザエさん』の視聴率急落は、そういう時代の到来を意味しているのではないだろうか。

鈴木祐司
次世代メディア研究所長/メディアアナリスト/津田塾大学研究員
愛知県西尾市出身。1982年、東京大学文学部卒業後にNHK入局。番組制作現場にてドキュメンタリーの制作に従事した後、放送文化研究所、解説委員室、編成、Nスペ事務局を経て2014年より現職。デジタル化が進む中で、メディアがどう変貌するかを取材・分析。特に既存メディアと新興メディアがどう連携していくのかに関心を持つ。直近の制作番組では、テレビ60周年特集「1000人が考えるテレビ ミライ」、放送記念日特集「テレビ 60年目の問いかけ」(共に2013年)。著作には「放送十五講」(2011年、共著)、「メディアの将来を探る」(2014年、共著)。津田塾大学では計算機科学研究所にて客員研究員を拝命中。


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