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テレビ・ラジオの局と番組のスレッド

474とはずがたり:2016/03/02(水) 23:38:44
>>472-474

もちろん政権からの揺さぶりというのは、人事や番組内容に直接物言いがついているという意味ではない。例えば昨年春のテレ朝「報道ステーション」の古賀さんの騒動の時に指摘されたプロデューサー交替の例を思い起こせばよい。同番組の政権批判のトーンを引っ張っていたというこのプロデューサーを局側は交代させたのだが、その判断をする際に、政権からの攻撃を何とかかわそうという判断が働いたのは確かだろう。
風当たりがこれ以上強まって権力と真っ向から対立するのはまずいから、ちょっと目先を変えるためにプロデューサーを交替させようといった政治的判断だったかもしれない。実際、後任となったプロデューサーも別に安倍政権寄りという評判ではない。政権と真っ向対立でもなく頭を垂れるのでもなく、いろいろな政治的対処をしながら、安倍政権からの風圧を避けていこうという判断だろう。
ただ危険なのは、そういう「斟酌」(しんしゃく)が肥大化していくと、明らかに「委縮」につながっていくことだ。私は世間で言われているほどテレ朝の早川会長が単純に安倍政権になびいているという見方よりも、面従腹背しながら政権からの風圧をどう避けるかという政治的判断をしていると考えたほうが正確のような気がする。だが、今のような状況下では、それはとめどなき後退につながっていく怖れがあることは指摘したい。
そういう流れのなかで、この間の一連のキャスター降板騒動を見ると、テレビ界をめぐる大きな動きと、明らかにそれは連動していると言える。
古舘さんの「報道ステーション」降板は、直接的には古舘さんの個人的問題なのだが、大きな影響をテレビ界に及ぼす可能性は無視できない。「クロ現」の国谷さんや「NEWS23」の岸井さんの処遇をめぐっても、局の上層部が政権やいまのメディア界にかかっている風圧に「斟酌」した可能性は十分にある。
今回の一連の降板騒動が、安倍政権による揺さぶりを受けてきたテレビ界が変わっていくターニングポイントとならなければよいのだが――。そういう不安をこの間の騒動を見て感じている人は多いと思う。それは決して杞憂ではない。テレビ界は、まさに今、どういう方向へ向かうのか岐路に立たされている。
安倍政権が改憲を掲げ、戦争のできる国へ日本を変えようとしているこの時、マスメディアを抑え込むことはかなり重要な戦略的課題になっているはずだ。メディア界はこの危機的状況に果たして対抗できるのだろうか。


篠田博之
月刊『創』編集長
月刊『創』編集長・篠田博之1951年茨城県生まれ。一橋大卒。1981年より月刊『創』(つくる)編集長。82年に創出版を設立、現在、代表も兼務。東京新聞にコラム「週刊誌を読む」を十数年にわたり連載。北海道新聞、中国新聞などにも転載されている。日本ペンクラブ言論表現委員会副委員長。東京経済大学大学院講師。著書は『増補版 ドキュメント死刑囚』(ちくま新書)、『生涯編集者』(創出版)他共著多数。専門はメディア批評だが、宮崎勤死刑囚(既に執行)と12年間関わり、和歌山カレー事件の林眞須美死刑囚とも10年以上にわたり接触。その他、元オウム麻原教祖の三女など、多くの事件当事者の手記を『創』に掲載してきた。


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