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貧困スレ

738チバQ:2017/07/13(木) 19:39:54
自宅の相続をめぐって兄弟とトラブル
両親はすでに亡く、「2人とも腫瘍っぽいもので亡くなったらしい」と言う。筆者には彼の子ども時代の経験より、親の正確な死因を知らないことのほうが驚きだった。理解できたのは、家族と縁を切りたいという彼の願望が、「憎悪」というよりは、「無関心」からくるものなのだということだけだった。

最近、両親が残した自宅の相続をめぐって兄弟ともめた。カズマさんは3人兄弟の末っ子。自宅には独身の彼が住み、評価額の3分の2に当たる金額を兄弟たちに支払うことまでは決まった。

問題は、この価格算定の基準をどうするか。できるだけ低く見積もりたい彼と、そのほかの兄弟の間で折り合いがつかなかったのだ。結局、調停を経て解決。その後、一括支払いのための銀行ローンを組み、現在は毎月約6万円を返済している。事実上の家賃である。

一連の遺産トラブルを振り返るときもカズマさんが口にするのは、兄弟への恨みつらみではなく、「これで家族の縁が切れると思って(調停を)頑張りました。ようやくしがらみから卒業できました」という安堵の言葉なのである。

家族に関心がないから、結婚願望もまったくない。これまで付き合った女性は皆、彼に結婚する気がないとわかると、自然に離れていってくれたという。

カズマさんは敬語もそつなく使えるし、話を聞いた喫茶店では、店内が込み合ってくると隣席に置いていた鞄を動かして席を空ける気遣いを見せることもできる。自炊もしようと思えばできるし、簡単な家屋の修繕や錠前の交換くらいなら自分でできるという。ただ、家族や自分自身、社会、政治など、あらゆることへの関心が薄いのだ。

海外旅行にも興味がないから、パスポートは作ったことがない。選挙にも1度も行ったことがない。選挙に行かない理由について「僕ひとりが行っても結果は変わらないのだから、やっぱり行っても、行かなくても同じ。もし、僕のような人間が全員、投票に行ったとしても投票率が上がるだけで結果は変わらない。そもそも与党にはうんざり、野党にはがっかりしています」と説明する。

「与党うんざり」の理由を問うと、彼はロッキード事件や東京佐川急便事件を挙げた。しかし、時代は大きく変わっている。そんな大規模な疑獄事件を持ち出されても違和感がある。すべての国民が社会や政治に関心を持ち、投票の権利を行使したとき、本当に結果は変わらないのだろうか。カズマさんの主張はどこかで聞いたことがあるような内容でもあり、空疎な響きがしてならなかった。

「死にたいとも生きたいとも思わない」
怒りも不満もなければ、夢や希望もない――。貧しい暮らしにも早々に順応し、あきらめる。それが、生来の性格なのか、カズマさんが言うように生い立ちに起因するものなのか、それとも、社会でもまれる中で培われたある種の防衛本能なのか。筆者にはわからない。ただ、社会を作る多くの人々は、彼のような考えなのかもしれないとも思った。

カズマさんと会ったのは、サクラが満開を迎える直前の頃だった。すべてに諦観していても、サクラは不思議と人に対して”生き死に”について語ることを促すものらしい。淡くほころび始めた並木の下、彼はこう言った。

「死にたいとも思わない。でも、生きたいとも思わないんです」

本連載「ボクらは「貧困強制社会」を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。


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