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貧困スレ

433名無しさん:2015/03/14(土) 16:46:54
>>432

■ 敷居が高いハロワにはみんなで行く

 実際、細かいところに工夫が行き届いている。たとえば「みんなでハロワに行く」取り組み。インクルームに通い、スキルが身に付いてきても「ひとりでハローワークに行くのは不安」という研修生がいた。

 そこで深川さんは、ハローワークの担当者に事前連絡を入れた上で、スタッフと研修生全員でハローワークを訪問、その場で求職登録や個別面談をしてもらった。その結果、まもなく1人の研修生の就職が決まったという。その後さらに2人が就職、3人が社会参加できるまでになった。新卒でも中途でも、就職活動は不安がつきもの。「気持ち」に寄り添った支援が実を結んだ。

 求人情報の探し方もていねいにアドバイスをした。当初、研修生の中には就業時間や職種の希望を狭く設定する人もいた。その結果、ハローワークの求人情報で検索をすると、条件に合う求人がゼロ件になることもあった。

 「がっかりされているのを見て、少しだけ、条件を緩くしてみたらどうでしょう? と提案しました」と深川さん。「とりあえず、どのくらいの求人があるか見るだけ見てみませんか」とゆるやかに持ちかけたのだ。たとえば「週3日、1日3時間で土日休み、家から近い仕事」を探しても見つからなくても「土曜日は保育園を利用できるかもしれないから、働けるかも……」などと考えて条件を緩めると、求人が見つかることもあった。

■ 少しずつ生まれる「できるかもしれない」の気持ち

 深川さんはあきらめず、コミュニケーションを続けた。「どんな仕事か、求人の中身だけでも、見てみませんか?」「もし、この会社で働くとしたら、何がネックになりますか?」といったように、不安の理由を具体的に一緒に考えていった。

 もし、パソコンスキルが足りないことが不安なら、今受けている研修で身に付ければよい。もし、勤務日数が多すぎるのが理由なら、まずインクルームに通う頻度を増やして慣らせばいいかもしれない。

 元気で自己肯定感の高い人なら、自分の心の中で自動的に処理するやり取りをサポートすることで、少しずつ「できるかもしれない」という気分が生まれてきた。これは、ジェンダー専門家が「エンパワーメント」と呼ぶ支援のあり方だ。

 就業継続の支援も丁寧に行った。就職が決まった後、入社する際、不安を訴えていた人には「ちょっとしたエクセルやワードの使い方なら、いつでも質問してください」と伝えた。勤務先の秘密に触れない範囲で就業後もサポートを続けた。

 もうひとつ、大事なことがある。対象となったのは、シングルマザーの中でも、すぐに就職をして働くのが難しい人たちだったということ。インクルいわて理事長の山屋さんは「たとえば、東日本震災によって夫と死別した方などは、ショックが大きく、喪失感を癒すのに時間がかかります。すぐに求職活動ができなくても、当たり前です。また就職した後、働き続けていくことが大事なので、そのために問題を解決したり続けていける力をつけていくことが先です」と言う。

 また、震災前まで働いていても、震災の影響で収入が減ったり、震災を理由に雇止めにあったりした女性も少なくなかった。

 こういう女性たちに、ハローワークで職を探してください……というのは酷であるだけでなく、現実的ではない。やはり、まずは心の回復や生活面での安心確保が不可欠だ。

 インクルいわての活動を、設立当初から財政面などから支援してきた国際協力NGOオックスファム・ジャパンでプログラム・オフィサーを務める高橋聖子さんは言う。

 「インクルいわての行った『包括的就労支援』インクルームが特に優れているのは、『生きていくこと全般』をサポートしたことだと思います。人が困難な状況に陥ると、心身、家族関係、経済的な課題が絡み合い、その方が本来持っている力を出しにくくなってしまいます。絡まりあった課題を解きほぐし、経験豊かなスタッフが寄り添うことで、その方が持つ力を発揮できるようになり、やがては、就職にもつながっていったと思います」


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