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貧困スレ

190チバQ:2011/11/20(日) 21:01:56
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 その明神集落は、「解散」の危機にある。仮設住宅用の高台がなく、住民の大半が集落を去った。自治会は6月末に「お別れ会」を開き、斎場の修繕費などの積立金を分配した。

 津波が来なくても、こんな日が来たのか。「震災は、町を出ようかとずっと悩んでいた人の背中を押したのかもしれない」。10年近く、自治会長を務めた鈴木力夫さん(65)は思う。

 1970年代後半、200カイリ規制で遠洋漁業が勢いを失うと、町人口は減り続けた。2005年に石巻市に合併する頃には、高齢化率が4割に近づく過疎地になった。

 家を失った鈴木さんは、市中心部のアパートに住むことを決めたが、それでもまだ、避難所にいる。「別れ難い。つながりを消したくない、と思うんだ」

 残る鈴木さんは消えゆく集落に惑い、離れる佐藤さんは心に大きな空洞を抱える。震災は被災地に、こんな人々を数多く生んだ。

 繁忙期のお盆に帰省できない佐藤さん夫妻は、7月初め、集落に残る先祖の墓に参った。俊一郎さんが墓前でつぶやいたのは、こんな言葉だった。

 「死ぬまで墓は守るから安心してくれ。そうできるよう、お願いします」

 責任感半分、願いが半分。いつ戻れるのか、わからない。それでも思う。

 家や集落すら、なかったとしても、俺の心が安らぐ場所はここなんだ、と。

■「望まない孤」寄り添えるか

 住む人がいなくなって何年もたった空き家。各集落に点在する廃校の跡。細りつつあった雄勝の町で、家族を超えて助け合う共助の力は、集落の支えだった。

 津波は理不尽に、それを断った。決して便利な生活でなくとも、つながりの中に身を置くことで平穏を感じた人たちに、故郷を離れて生きることを強いた。隣人を知らないことも珍しくない都会への移住、その孤立感は計り知れない。

 「望まない孤」に惑う人たちに気づき、支える力がこの社会に残されているか。震災は、そう問うているようだ。(平井良和)


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