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【捲土重来選挙】2009年次期衆院選スレ その2

5472名無しさん:2009/09/07(月) 00:23:41
>>5471

 それでは小泉氏の「功績」とは何か。今回の選挙結果は、むしろ小泉政治の負の遺産に対する反動そのものではなかったか。確かにそのような見方も可能だ。しかし「政策」ではなく「空気」のほうに注目するなら、別の解釈も可能になる。

 小泉改革以降、政治をとりまく「空気」は決定的に変化した。その変化を支えたのは政治のあいまいな閉塞(へいそく)を破壊したいという人々の衝動だった。小泉氏は一人のトリックスターとして、その「破壊」が本当に可能であることを示してしまった。「自民党をぶっ壊す」という彼の宣言は、一種の時限爆弾となって8年後にさく裂したのだ。

 今にして思えば、05年の衆院選における自民党の圧勝こそが、すでに崩壊の予兆だった。あのとき勝ったのは「自民党」ではない。「守旧的な自民党を破壊したい」という気分が勝ったのだ。当時の小泉氏の勢いは、現在の民主党以上に過激にみえた。

 格差社会の元凶とされがちな小泉内閣だが、私は必ずしも同意しない。統計データに基づくなら、格差の拡大は90年代後半の現象であるという。むしろ小泉内閣が破壊しようとしたのは、旧態依然の「55年体制」そのものだった。

 小泉氏は利益誘導型の口利き政治と金権腐敗、族議員の跋扈(ばっこ)する利権構造、政官癒着の温床となっていた事前審査など、それまでの政治における伝統的手法を完膚なきまでに破壊しつくそうとした。「郵政民営化」はそのシンボルにすぎない。

 当時、人々が喝采(かっさい)したのは小泉氏の政策内容に対してではない。「改革という名の破壊」の爽快。その劇薬の味に人々は酔った。それゆえ今回の選挙結果は、小泉改革の反動にはどうしてもみえない。そこにあるのはむしろ、4年前と同じ気分の反復だ。

 小泉改革を支えたのは、彼の強烈なキャラクターであり、その人気はいまだ根強い。小泉以降の安倍、福田、麻生それぞれの内閣が、キャラの弱さゆえに短命に終わったのもやむを得まい。

 彼らは「改革」を引き継げぬまま迷走を続けた。改革の内容を、ではない。破壊も辞さないような「改革への衝動」が、彼らには欠けていた。ふたたびかつての伝統的手法にしがみつこうとする自民党の面々をみて、人心が離れるのはもはや必然だったろう。その伝統をまるごと一掃せよ。それが人々の答えだったのではないか。

 それゆえ最も懸念されるのは、民主党の幹部クラスに小沢氏、鳩山由紀夫氏、岡田克也氏など、自民党の旧田中派に縁のある政治家が多いことだ。果たして民主党は“田中的”な利益誘導型政治と、完全に決別できるのだろうか。

 2度も劇薬の味を知ってしまった人々の信頼をつなぎとめるには、「素晴らしいマニフェスト」よりも「過激な政治的意志」のほうが重要だ。その背景には、あいまいな均衡と安定よりも、ダイナミックな破壊と再構築が待望される時代へという「空気」の変化がある。果たして民主党は、どのように「空気」を入れ替えるのか。今後の動向に注目したい。=毎週日曜日に掲載


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