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宗教

651とはずがたり:2022/09/06(火) 12:58:10
>>650
■安倍氏の義理に篤く、丁寧な態度…が裏目に出たのか

浄土宗にとって浄光会はロビー的な側面をもつ。他方、多くの議員には浄土宗の教えを政治に盛り込もう、といった思惑はない。あくまでも、地元の菩提寺の住職を巻き込んで、票田を狙っているだけだ。

とはいえ、浄光会の総会では早朝、増上寺大殿(本堂)で朝のお勤めに参加し、宗祖法然上人の遺言「一枚起請文」を読むのが決まり。その後は、今回の安倍氏の密葬が実施されたのと同じホールへと移動し、「朝粥会」と呼ばれる懇親会が開かれる。

安倍氏は現役総理の時こそ代理を立てていたものの、首相の座から退いてからは毎年、ほぼ欠かさず参加している。むしろ、会員の中では熱心な部類といえる。形式的に朝粥会に参加して、早々に中座していく議員が多い中、安倍氏は最後まで席を立たないことが多かった。安倍氏は義理に篤(あつ)く、場を大事にした人物といえばそうかもしれない。

だが、今回の惨事は、そうした安倍氏の丁寧な態度が裏目に出たのかもしれない。統一教会と安倍氏との関係は祖父、岸信介元首相の時代にさかのぼるという。

統一教会の元会長、郭錠煥(カク・ジョンファン)氏は7月19日、ソウルで記者会見し「(統一教会創設者の)文鮮明総裁は安倍氏の祖父の岸信介元首相や父の晋太郎氏と近かった」と述べている。安倍氏にとってみれば、祖父や父からの「近からず、遠からず」の関係を受け継いだだけのことだったのだろう。

繰り返すが、国会議員は宗教の票田を狙い、宗教側も権力を利用するという構図だ。安倍氏サイドにとってみれば、統一教会も票田のひとつに過ぎなかった。いま多くの国会議員が、統一教会との関係を指摘されているが、安倍氏のケースと同じ構図だ。

■なぜ信者数が10万人程度の小さな宗教の票田を狙うのか

そこで、疑問が生じる。仏教徒である安倍氏や議員は、本来の宗旨である仏教界(浄土宗)の票田を狙いにいったほうが合理的ではないのか。日本の仏教徒は総数で8400万人だ。うち浄土宗檀信徒は600万人である。統一教会の信者数は宗教情報リサーチセンターによれば56万人だが、実質はせいぜい10万人程度と言われている。

なぜ、わざわざ規模の小さい新宗教の票田を狙いにいくのか。

それは、伝統仏教教団の場合、政治家が集票を働きかけても、なかなか票に結びつかないのが実情だからだ。仮に、ある議員が浄土宗の信者だからといって、地元選挙区の浄土宗檀信徒がその議員に投票するかといえば、必ずしもそんなことはない。立候補者の菩提寺の檀家仲間が選挙応援やボランティアに出向くということも、ほとんどない。日本では菩提寺と檀信徒、あるいは檀信徒同士との結びつきは、良くも悪くも「ゆるい」のだ。

だから、政治家にとって教団と信者、あるいは信者同士の結束が強い、新宗教を狙うほうがはるかに票田としては魅力的に映るのだ。

しかし、今回は相手が悪かった。世界各国ではカルト教団として警戒されている統一教会である。安倍氏の取り巻きはもっと、統一教会の内情を精査すべきだった。オウム事件から四半世紀が経過し、カルトへの警戒を緩めてしまっていたことは否めない。政治家の節操のなさと、宗教に対する無知が、今回の悲劇を生んだともいえるだろう。

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鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)
浄土宗僧侶/ジャーナリスト
1974年生まれ。成城大学卒業。新聞記者、経済誌記者などを経て独立。「現代社会と宗教」をテーマに取材、発信を続ける。著書に『寺院消滅』(日経BP)、『仏教抹殺』(文春新書)近著に『お寺の日本地図 名刹古刹でめぐる47都道府県』(文春新書)。浄土宗正覚寺住職、大正大学招聘教授、佛教大学・東京農業大学非常勤講師、(一社)良いお寺研究会代表理事、(公財)全日本仏教会広報委員など。
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(浄土宗僧侶/ジャーナリスト 鵜飼 秀徳)


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