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宗教

374とはずがたり:2015/11/08(日) 22:09:12
>>373-374
浄土真宗は、何度も念仏の教えを聞き、その教えを自分の中で受け止め、いただく宗派である。その念仏の教えをドイツ語に訳すと当然ながら意味の歪みが生じる。ドイツ人は日本人以上に理屈で分からなければ納得しない人々だ。そのため論理的な理解を、信心の前に日本人以上に求める。まず坐り、体感できる禅宗と異なり、浄土真宗の布教はこの言語の問題が大きく立ちはだかって、入口を狭めている。

ドイツで宗教活動を完結できない難しさ

惠光寺は寺だ。だが日本のような檀家は持たない。寺へ参拝するドイツ人はいるが、それ以上の結びつきはないため、信徒からの寄付行為のみでの寺院運営が成り立っていない。

そのため惠光寺の運営は仏教伝道協会からの資金に頼る。僧侶という職業が成立しにくいという点では、惠光寺もパリにある曹洞宗と同じ悩みを抱えている。

夏の庭園祭は多く人で賑わう

時に惠光寺は、本願寺派と仏教伝道協会という二者間において、難しい立場に立たされることもある。惠光寺はその成り立ちから浄土真宗本願寺派と関係が深い。ところが運営は仏教伝道協会により、宗派を超えた寺として行われているため、本願寺派としての活動が制限される。以前、本願寺派の連絡所を欧州に置こうという話が出た時も、その機能を恵光寺ではなく、アントワープにあるベルギー人住職の慈光寺(仏教伝道協会ではなく、同住職が個人的に営む本願寺派としての寺)に担わせることになったという経緯もある。

「本願寺派僧侶としての立場もあるが、惠光の目的は、まず仏教伝道協会を立ち上げた沼田惠範氏の初志を受けて、仏教を含めドイツにおける日本文化の窓口となることです」と所長の青山さんは語る。

30周年記念式典

独特な形態をもったドイツ惠光寺

日本の伝統仏教の中で、本願寺派はもっとも海外進出に積極的な宗派と言っていい。ハワイ、米国本土、ブラジルなど海外に建つ本願寺派の寺は多い。しかし、それらは明治時代以降に日本人移民と共に渡っていったもので、日本とまったく縁のない土地に布教し、根付いたわけではない。惠光寺は信仰の下地がまったくないドイツという場所で、ゼロから地元と交流を深めてきた。惠光寺に勤める本願寺派の僧侶にとっても、海外におけるこのような状況は、歴史上初めてのパターンなのだ。

このような中、2015年「惠光」文化センターは30年を迎えた。式典には、デュッセルドルフ市長と、同市があるノルトライン・ヴェストファーレン州首相が挨拶を寄せ、同センターが地域と共に歩んできたことを印象付けた。

現地の宗教・文化を否定するのではなく、相手を尊重し細かな理解を積み重ねていくこと。ドイツで認められた惠光寺は、海外における宗教的文化活動の目指すべき一択を示した。その試みは浄土真宗および日本仏教にとって、新たな歴史を紡いでいるといっても過言ではない。
(加藤亨延)


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