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宗教
372
:
とはずがたり
:2015/11/08(日) 17:32:38
>>371-372
3カ月に及ぶ警察と消防の調査にも関わらず、犯人は特定できなかった。考えられる可能性のうち9割が放火であろうとされた。当時、ユダヤ教のシナゴーグや他宗教の集会場が同様の妨害行為にあっていた時でもあった。犯行動機は、この時期に同寺が中心となり催していた国際交流フェスティバルに対する妨害行為であろうと推測され、異宗教か偏向的な考え方の人物、組織による犯行であろうと結論が出された。
この不幸に見舞われながらも、幸い本尊だけは奇跡的に損傷がなく、シュテフェンス法尼は、竹内上人と共に寺を再建することに決めた。そして現在に至っている。
どのような人が日蓮宗に興味を持つのか
大聖恩寺の門を叩くドイツ人の多くは、主に元SGI(創価学会インターナショナル)の信者だという。SGIに入ったものの自分に合わなかった時に、次に大聖恩寺で学ぼうとやってくるそうだ。ここで葛藤が生じる。
創価学会とは日蓮宗の一派、日蓮正宗から分かれた新宗教である。日蓮正宗とは、日蓮が決めた弟子6名の1人、日興が建立した寺院を本山とし、名を日蓮正宗と改めた宗派だ。そのため日蓮宗とは少し異なる考え方で発展してきた。よって「SGIにいた期間が長いほど、日蓮宗の考え方とのズレが大きくなり、すでに棄教していたとしても根幹でその溝が埋まらないことが多い」とシュテフェンス法尼は悩む。
加えて日独の文化の違いにも直面する。日本の場合、自分の個性は傍に置き、教えられた仏教の考え方を、まず自分の中に受け入れる人が多い。ドイツの場合は、最初に自分なりの個性、考え方があり、それをベースに仏教を理解しようとする。すると個人的な解釈が加わり、本来の教えとギャップが出てくるという。
広がる地元との交流
日蓮宗を伝える面で苦労は多いものの、地域との交流は確実に広がっている。数校の地元ギムナジウム(ドイツの中等教育機関)との取り組みも、その1つだ。
ドイツでは小学校から「宗教」の授業がある(カトリックの家の子はカトリックの授業を、プロテスタントの家の子はプロテスタントの授業を受ける)。その授業の一環として、他宗教への理解を深めるために大聖恩寺で仏教を知る授業を組み込みたいと、ギムナジウム側から申し出があったのだ。
宗教の授業以外にも、ヴィッパーフュートではカトリック、プロテスタント、イスラム教、仏教の関係者が集まり、様々なテーマで話し合う住民参加型の交流会を開くようになった。これを各宗教が持ち回りで行っている。例えばイスラム教の回には、モスクに他の宗教者を招き一緒に食事をする。また市役所前の広場で各宗教合同にてバザーを行い、集まった資金を難民支援に当てる活動も行う。
これらを通して、ヴィッパーフュートにおける各宗教間の風通しが、特に昨年あたりから一層良くなってきた。最初は反発一辺倒だった大聖恩寺の評価が、変わってきた理由はどこにあるのだろうか?
「自ら進んで相手の中に飛び込み相手を理解し、その土地を愛する一方で、ドイツの方々にも理解して頂くという信念が大事」とシュテフェンス法尼は言う。その土地にはその土地の人々が培ってきたアイデンティティや文化がある。仏教徒だとしても一度聖書を読み、そこに何が書かれているかを納得した上で、自らの仏教を鑑みることが肝要だという。「心を真っ白にして素直に相手の話を聞き、それが素晴らしいと感銘できればできるほど、自分が帰依する宗教がもっと深くなっていく」とシュテフェンス法尼は感じているそうだ。
ヴィッパーフュートを揺らした大聖恩寺だったが、その異教徒が起こした波紋は今、保守的になりがちなドイツのカトリックの小さな町で、諸宗教間の理解へ向けた鍵に変化し始めている。
(加藤亨延)
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