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金融政策スレ

877とはずがたり:2016/02/17(水) 10:23:14
榊原氏には成長を否定して欲しくなかったっすねぇー。
それにしても日銀がインフレ予想に関してこうも明白な白々しい嘘を吐き続けて恬として恥じないのは如何かと思わざるを得ない。

なぜ黒田総裁はマイナス金利という「変化球」を投入したのか
http://ironna.jp/article/2818
榊原英資

 日本銀行は1月29日、新たな金融緩和策として「マイナス金利」導入に踏み切った。2月8日に発表された「主な意見」の公表によれば、賛成は黒田東彦総裁ら執行部3人と原田泰審議委員、布野幸利審議委員の5人。白井さゆり審議委員ら4人は反対に回った。原田、布野両委員は黒田総裁の任命であり、黒田総裁に近いとされている。反対した4人は、いずれも白川方明前総裁の任命だった。

 欧州ではマイナス金利が定着しており、ECB(欧州中央銀行)、スイス、デンマーク、スウェーデンが政策金利でマイナス金利を導入している。このマイナス金利とECBの国債買い入れにより、ドイツの7年債やフランスの5年債までマイナス領域に突入している。7年債はまだプラスだが、ドイツ10年国債の利回りは0.217%とゼロに近づいてきている。ちなみに、日本の10年債利回りも2月15日にはマイナス0.085%まで低下した。

 日銀は2%の物価目標を掲げているが、2015年の消費者物価指数上昇率は0.73%(2015年10月のIMFによる推計)にとどまっている。また、長期のインフレ期待も1%前後と2%目標にはまだまだ届く気配がない。このところの石油価格をはじめとする天然資源価格の急激な下落は、さらにインフレ期待を下げる可能性がある。日本だけではなく、世界の先進国は低成長、低インフレ局面に入ったのである。

 2011年から15年の経済成長率の平均は、アメリカが2.06%、イギリスが1.90%、ドイツが1.57%、フランスが0.85%、イタリアがマイナス0.70%。一方、インフレ率の平均は、アメリカが1.68%、イギリスが2.28%、ドイツが1.43%、フランスが1.25%、イタリアが1.58%となっている。
 
 ちなみに、日本の平均成長率は0.67%、平均インフレ率は0.70%である。成長率はほぼマイナス1〜2%範囲、インフレ率もほぼ1%〜2%の枠に収まっている。つまり、先進国はおしなべて低成長、低インフレの局面に入っているのである。

 こうした状況では、金融緩和によるインフレリスクはかつてより大きく減少している。それを踏まえ、まずアメリカが2009年から3度にわたる金融緩和を行い、日本も2013年から「異次元」金融緩和に踏み切っている。ECBも2015年には量的緩和を行い、2016年に追加緩和を行うかどうかが話題になっている。

 おそらく日銀も2017年の消費増税を念頭に、16年末にかけてさらなる量的・質的緩和策を取ってくるだろう。今回のマイナス金利は、それを念頭に置いての「変化球」だったのではないだろうか。

 世界経済は今、中長期の景気後退局面(Secular Stagnation)に入った気配がある。日本も欧州もそれを意識した金融緩和を継続している訳だ。アメリカは好調な経済を背景に昨年12月に利上げに踏み切ったが、景況感指数は悪化し始めており、2016年も引き続き利上げを行っていけるかどうかは不透明な情勢にある。

 一方、日本の設備投資は、一連の金融引き締め策などを受けて2015年度は前年実績比13.9%の増加となったが、2016年もこれが続くのかどうかは不透明だ。世界経済の減速が続く中で、政府が望むように設備投資の増加や賃上げがスムーズに進むとは考えにくい。今後も天然資源価格が暴落し、世界経済の構造が大きく変わる中で、政府も日銀も日本経済の「景気腰折れ」のリスクに備えておくべきだろう。しばらくは、インフレ率2%の達成は「夢のまた夢」ということなのではないだろうか。

 むろん、金融緩和政策は中長期的に継続されることになる。インフレ懸念がほとんどない中で緩和が金融政策の基本パターンになっているのだが、「出口」は本当にあるのか。いや、いつになるのだろうか。アメリカは一応「出口」にさしかかっているが、前述したように利上げをどこまで続けられるかは不透明である。

 こうしてみると、「物価目標2%」あるいは「成長戦略」といった政策目標は、過去の遺物なのではないだろうか。成熟段階に達した先進国、特に日本は「豊かなゼロ成長」の時代の果実を享受すべき局面に入っている。美しい自然と安全な国土、そして健康な国民。それを維持していくことこそが「成熟国家」日本の目標となるべきだと思うのだが…。

榊原英資
1941年、神奈川県生まれ。都立日比谷高校を2年で修了、米国留学。東京大学経済学部卒。同大大学院(理論経済)中退、65年大蔵省(現財務省)入省。ミシガン大学に留学し経済学博士号取得。財政金融研究所所長、国際金融局長を経て97年に財務官就任。99年に退官、慶大教授に転じ、2006年早大教授、10年4月から現職。


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