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金融政策スレ

1054とはずがたり:2016/09/30(金) 15:04:38
>>1053-1054
金融緩和策を放棄した?

筆者は、マイナス金利の深掘りによって果敢な金融緩和姿勢の継続を鮮明にすることを前提に、マイナス金利策と量的緩和策の併存の弊害として生じていたイールドカーブのフラット化や逆イールド化を是正するよう提案した。

一方、日銀は、量的緩和に未練を残したまま、「イールドカーブ・コントロール」に乗り出す方針を示したというわけだ。

日銀の方針には、金融政策決定会合の場で、政策委員会審議委員からも「短期政策金利を-0.1%、10年金利の目標をゼロ%程度とすることは期間10年までの金利をマイナス圏で固定することにつながりかねず、金融仲介機能に悪影響を及ぼす」(佐藤健裕委員)とか、「国債市場や金融仲介機能の安定の観点から、短期政策金利は+0.1%が妥当であり、長期金利操作目標は国債買入れペースの一段の拡大を強いられるリスクがある」(木内登英委員)といった反対が出たという。

肝心の深掘りを見合わせた黒田日銀の胸のうちはわからない。「運用難から銀行を含む金融機関小経営が圧迫されるとか、年金の運用パフォーマンスが下がるといった批判の大きさにたじろいだのではないか」とか、「マイナス金利を深掘りできる回数が限られているので政策を温存したのではないか」といった憶測が飛び交っているだけだ。

が、今回、マイナス金利の深掘りをしなかったことが、金融緩和策を放棄したような格好になっていることは見逃せない。

全体の引き下げを試みず、7月8日に過去最低の-0.300%を付けるなど、3月11日以来6カ月以上にわたってマイナスの領域で推移してきた長期金利を0%近辺に誘導するというのは、部分的ながら利上げ(金融引き締め)を意味するからである。

湧き上がる円高の再燃リスク

もちろん、今回の長期金利の0%への誘導が、中長期的な金融引き締めに繋がるほどの力強さは日本経済にないだろう。

ここに、筆者が、今回の長短金利操作付き量的・質的金融緩和を、刹那的な金融引き締め策と揶揄せざるを得ない由縁がある。

結果として、早くも注目を集めているのが、円高の再燃リスクだ。外為市場では、外国証券会社を中心に、日銀の動きを「ステルス・テーパリング(隠れた国債購入の削減)への第一歩」とみなす向きがある。23日の取引は、政策決定会合前より円高・ドル安の1ドル=100円台が中心になり、円の上昇圧力の台頭を浮き彫りにした。

そもそも実質金利は名目金利から物価上昇率を引いた水準で決まる。とすれば、日銀の当座預金金利(-0.1%)-物価連動債利回り(推計-0.3%)=+0.2%が現在の実質金利と考えられよう。

一方、日銀の推計によると、潜在成長率はここ2、3年、年率0.07%〜0.2%で推移してきた。これと比べると、実質金利は、潜在成長率の低下に追随したに過ぎず、政策的な緩和環境を整えるのに十分な低さに下がったとは言い難い。

潜在成長率の低さを勘案すれば、日銀はマイナス金利の深掘りを急ぐべきだ。が、実は、北欧諸国の先例から見ても、また、預金者にマイナス金利を転嫁するのが非現実的という事実を勘案しても、深掘りできる回数には限度がある。

赤字まみれの財政に期待できない中で、口先だけだった構造改革をできるか。実は、日銀よりも、アベノミクスの3本目の矢が改めて問われていることを忘れてはならない。


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