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仙台・宮城・陸奥
831
:
荷主研究者
:2010/08/29(日) 12:05:23
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/08/20100819t11030.htm
2010年08月19日木曜日 河北新報
石巻港、重点港湾根強い復活論 一体整備なお温度差
港湾一体整備の方針をめぐり、県幹部(左側)に説明を求める石巻地区議員会の県議=10日、県庁
国が来年度以降、集中的に整備する「重点港湾」に石巻港が選定漏れしたことを受け、県は同港と特定重要港湾「仙台塩釜」との2012年度統合へ向けて準備作業に入った。「重点港湾復活の望みはない」として一体整備に急速にかじを切った県に対して、重点港湾入りを目指して国に陳情を重ねた地元関係者には割り切れない思いも残る。「国に対してあらためて復活を訴えるべきだ」との声も上がる。(報道部・吉田尚史)
■県のスタンス批判
「選定からこぼれた理由を、国に対し徹底して追及していくべきだ」。10日正午、石巻・牡鹿、東松島両選挙区選出の県議6人は、県庁で橋本潔土木部長に詰め寄った。
「東北における石巻港の役割を考え、国に復活させるのが本来の県のスタンスではないか」「仙台と石巻で予算の取り合いになるのでは」―。県が打ち出した「一体整備」に対し、県議たちは次々と不満をぶちまけた。
地元にとって「落選」のショックは大きい。現状のままでは、石巻港は国直轄の新規事業予算が配分されず、継続事業の実施しかできなくなる。県港湾計画で描く大型船舶に対応できる岸壁整備なども実現は厳しくなる。
ショックがさめやらぬうちに出てきたのが、仙台塩釜港との統合話だった。亀山紘石巻市長は「外れた以上、残された道は『一体整備』しかない」と今は理解を示すが、落選が決まった3日の段階では「敗者復活のような(実質の伴わない)一体整備では困る」と不安を漏らしていた。
地元には「国との口約束に終わるのではないか」との不安もぬぐえない。前原誠司国土交通相は村井嘉浩知事に前向きな姿勢を示したが、「内閣改造で大臣が代わったら、うやむやになるのではないか」という懸念がある。
一方の県。仙台塩釜港との一体整備に活路を見いだそうと躍起だ。
■潜在力の高さ訴え
選定漏れの理由として国は、県に対し「比較的近い距離に特定重要港湾の仙台塩釜港が位置し、両港の適切な連携と役割分担で対応してほしい」という趣旨の説明を伝えた。県は、地元関係者が望みをつなぐ「復活」が厳しいと受け止める。
橋本土木部長は「国から重点港湾復活はないと言われている。指をくわえて待っていても石巻港がじり貧になるだけだ」と言う。
県の狙いは、特定重要港湾の仙台塩釜港と統合することで、石巻の新規事業を担保すること。県にとっても「石巻港の整備の重要度は高い」(村井知事)からだ。
県内に自動車関連企業の立地が相次ぐ中、将来、完成車積み出し台数が大幅に増えた場合、仙台塩釜港では対応しきれない事態も予想される。同港のアジア市場向け貨物も増えており、石巻港との役割分担は現実的な課題だ。
石巻港の潜在力の高さを訴える県港湾課は「仙台塩釜港に吸収されるというような印象が地元にあるとすれば、それは違う。互いを必要とするビジョンを描き、東北の拠点港として発展するための一体化だ」と、統合推進に理解を求めている。
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