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仙台・宮城・陸奥
776
:
荷主研究者
:2010/07/19(月) 21:18:18
http://www.kahoku.co.jp/news/2010/06/20100629t13021.htm
2010年06月29日火曜日 河北新報
仙台市の敬老乗車証見直し 交通事業者、行方を注視
高齢者を中心に約160人が参加した敬老乗車証見直しをめぐる市民説明会。説明会は計7回開かれ、800人を超す市民が出席した=26日、宮城野区役所
仙台市が制度見直しを進める、70歳以上の高齢者を対象とした敬老乗車証事業の行方を、市や民間の交通事業者が注視している。見直しで負担感が増す高齢者の乗り控えが広がれば、減収や減便につながりかねないからだ。バス事業関係者は「福祉と交通インフラのバランスをどう保つか。市と市民の間でより良い着地点を見いだしてほしい」と話している。(報道部・上村千春)
<サービス低下懸念>
「敬老乗車証を使う高齢者が乗車率を上げている。負担増で利用者が減れば、路線廃止につながるのではないか」
太白区役所で20日あった敬老乗車証制度見直しの市民説明会で、出席した年配女性はサービスの低下を懸念した。
乗車証は市地下鉄と、仙台市内を走る市バス、宮城交通バスで利用できる。市バスの場合、2008年度の全利用者に占める乗車証利用者の割合は12.8%(運賃ベース)に上った。宮城交通も1割程度を占める。
<収入が大きな柱に>
現行制度は、交通事業者が毎月、乗車証分の利用額を市に申請。市は利用額のうち、バスは57%、地下鉄は61.75%に当たる額を事業者に支払う。支払額は08年度、市交通局が約15億円、宮城交通は約5億円だった。両事業者にとって乗車証に絡む収入は経営上、大きな割合を占める。
宮城交通の金森隆浩営業推進部長は「市の見直し素案にある『応益制』や利用上限の考え方では、乗り控えが予想される。乗客が減れば減便などの合理化を検討しなければいけない」と不安を口にした。
一方、市交通局の保科学交通事業管理者は「高齢者の大半は現在、年間10万円の範囲内で乗っており、負担増が経営に影響するほど利用減を招くとは思っていない」と語る。
02年度、市はそれまで無料だった乗車証に一部自己負担を導入した。その際、乗車証の交付率は前年の77%から72%に減った。
<柔軟な制度設計を>
公共交通問題に詳しい宮城大事業構想学部の徳永幸之教授(交通計画)は「経営を考えると、現行の自己負担は安過ぎるが、素案通りになれば(負担を感じる)高齢者が外出を控える可能性が出てくる」と指摘。
その上で「定額1万円の自己負担で10万円分まで使えるようにし、超過分を2割負担の応益制とする二段構えがいいのでは」と、より柔軟な制度設計を提案した。
[仙台市敬老乗車証制度]原則年間5000円の自己負担で利用上限のない第1種と、無料で1万円まで利用できる第2種の選択制。市の見直し素案では、利用に応じて1割負担する応益制と年間10万円の利用上限を設けることとした。第2種は廃止する。市は7月2日まで素案への意見を公募。2011年秋の実施を目指し、条例改正案を市議会9月定例会に提出する見通し。
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