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仙台・宮城・陸奥

4103荷主研究者:2021/12/12(日) 16:13:46

https://kahoku.news/articles/20211114khn000016.html
2021年11月15日 06:00 河北新報
LNG調達費が重荷に 仙台市ガス民営化 挫折の要因(中)

 仙台市ガス事業は原料の液化天然ガス(LNG)を自前で調達する。公営としては全国で同市のみ。宮城野区のガス局港工場にある仙台LNG基地には、タンカー「アマンセンダイ」がおおむね20日おきに、調達先のマレーシアから入港する。

 アマンセンダイが一度に運べるLNG量は約8200トン。国内主流の標準船の約7万トンに比べ、はるかに小さい。構造上、港工場に標準船が入港できないことがネックとなっている。

 ガス局は「小舟」を使わざるを得ない上、マレーシア企業と2027年度まで10年契約を結んでいる。原料調達費は民間に比べ2割程度高く、需要家が支払うガス料金にも響いている。

港工場に入港するLNGタンカー「アマンセンダイ」=仙台市宮城野区港4丁目(市ガス局提供)

 民営化に向けた事業継承者の公募で唯一応じた東北電力、東京ガス、石油資源開発(東京)、カメイの4社グループは希望譲り受け価格を最低譲渡価格と同じ400億円と提示した。

 東北電の担当者は「マレーシア企業との契約が残る5年間の原料調達コストを基に、事業性評価を算定した」と金額の根拠を説明する。原料調達のコスト高が最低譲渡価格からの上積みを阻んだ一因とみられる。

 関係者によると、4社グループは港工場に近接する東北電の新仙台火力発電所(宮城野区)にあるLNG基地の活用を提案したという。同LNG基地は標準船の入港が可能。港工場との接続には数十億円かかるものの、長期的には原料調達費が抑えられる。

 そもそも、公営の市ガスが自前のLNG基地を持ったのには理由があった。

 全国のガス大手は1960年代以降、石炭や石油から天然ガスへの燃料切り替えを進めたが、東北には90年代になっても民間のLNG基地がなかった。遠方から陸上輸送するにも市ガスは事業規模が大きいため、自ら基地の整備に乗り出した。

 エネルギー事業に詳しい日本総研リサーチ・コンサルティング部門ディレクタの段野孝一郎氏は「公営事業者の自前調達は当時は画期的だったが、事業譲渡に当たってはプラスに働かなかった」と指摘する。

 仙台市に先行し、公営ガスの民間譲渡を進めた福井、金沢、大津3市はLNG基地がなく、それぞれガス、電力会社から購入していた。いずれも事業継承者の公募に複数グループが応じ、競争原理が働いた。

 段野氏は「公営に原料を販売していた事業者は卸先を失う恐れがあった。売り上げ減少に直結する問題で、手を挙げざるを得なかった」と背景を解説する。

 これに対し、仙台市ガスは自前調達のため、ライバル事業者に譲渡されても損失はほぼなく、強い応募動機が生じなかったとみる。

 それでも、専門家の間では「仙台でも競争が起きる可能性はあった」との見方が多い。この10年、標準船が入港できるLNG基地が仙台周辺に増えたためだ。

 石油資源開発が2018年に整備した相馬LNG基地(福島県新地町)は、仙台-新潟間パイプラインと岩沼市でつながる。大手の大阪ガスが関わっており、業界内で注目を集めている。

 仙台の民営化は東北電と石油資源開発がグループを形成し、結局、他に応募はなかった。市ガス事業民営化推進委員会の橘川武郎委員長は企業名を伏せた上で、競争が起きなかった理由を「(競争する)可能性があった所が組んだからではないか」と指摘した。

[仙台LNG基地]1997年、仙台市が宮城野区の仙台港に整備した東北初の液化天然ガス(LNG)基地。敷地面積は約9万8000平方メートル。LNGは地下式タンクに貯蔵され、ポンプで気化器に送られ、温められて気体の天然ガスとなる。熱量調整後、臭いが付けられ各家庭や事業所に都市ガスとして供給される。天然ガスはパイプラインで新潟の民間LNG基地からも受け入れている。港工場は東日本大震災の津波で被災し、一時期、稼働が停止した。


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