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仙台・宮城・陸奥

3897荷主研究者:2020/12/21(月) 21:47:55

https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202011/20201124_13020.html
2020年11月22日日曜日 河北新報
【復興ロードの行方 三陸道・仙台―気仙沼直結1】不振続く水産業の再生後押し

気仙沼港IC(左上、手前は未開通区間)の近くに立ち並ぶ水産加工会社=21日午後3時ごろ、気仙沼市赤岩港

 三陸沿岸道の小泉海岸-本吉津谷インターチェンジ(IC、いずれも宮城県気仙沼市)間が21日に開通した。交通の不便さから「陸の孤島」とも呼ばれた水産都市・気仙沼の中心部が、仙台や首都圏と初めて高速道路で結ばれた。東日本大震災から復興し、ようやく新しい街並みが見えてきた気仙沼。「復興ロード」は何をもたらし、どんな変革を促すのか。
(気仙沼総局・鈴木悠太)

 サバ、サンマ、イワシ。

 気仙沼港に水揚げされた新鮮な海の幸が次々と製造ラインを流れ、煮魚や焼き魚に姿を変える。パック詰めされた商品は、目の前にある三陸道気仙沼港ICから全国へと運ばれる。

 気仙沼市の赤岩港水産加工団地にある冷凍食品製造「ヤヨイサンフーズ」(東京)。震災の津波で、市内鹿折地区にあった前身会社の工場は全壊した。気仙沼港ICにほど近いこの加工団地で工場再建を果たしたのは、今年10月のことだ。

 「気仙沼での復活は全社員の悲願だった。全国から候補地を探す中、三陸道が後押しになった」。同社の深沢義親経営企画部長(55)が感慨深げに語る。

 再建に当たり、気仙沼は事業拡大を図る基幹工場と位置付けられた。現在は商品を満載した大型トラックが週4便、工場を出る。いずれは生産量を増やし、ICに近い立地を生かして毎日の出荷を目指す。

 三陸道で仙台、気仙沼両市中心部が直接、結ばれたことにより、両市役所間の所要時間は、震災前より49分短い122分になった。

 延長を見越し、気仙沼市は三陸道ICに近い赤岩港団地と鹿折、南気仙沼地区に水産加工会社を集約。計画のある計87社のうち既に75社が稼働する。大半は被災企業。高速道での直結は製品出荷や営業、通勤面で大きなメリットだ。

 再建への軌道を確かなものとするために、追い風となるはずの三陸道。だが近年の漁業不振が、水産都市の基盤を大きく揺るがす。

 「潤沢な水揚げがあってこそ、三陸道を最大限に生かせるのだが」。市魚市場で長年、屈指の鮮魚取引量を誇る水産物仲卸「フジミツ岩商」(気仙沼市)。岩渕光男社長(74)は、深刻な水産資源の減少に表情を曇らせる。

 気仙沼漁港の水揚げ量は2010年の10万3609トンから、19年は6万5106トンに減った。代表魚種のカツオは5割、サンマは2割程度にまで激減。岩渕社長は「道路があっても、運ぶものがなければ仕方がない」と嘆く。

 水産加工品を扱う市内運送会社も、震災前より4割ほど売り上げが減ったと口をそろえる。気仙沼では震災を機に廃業した小規模加工会社も多く、荷主が減少。被災した市魚市場が休業する間に、仕入れを別産地に切り替えた首都圏の取引先も少なくないという。

 気仙沼港に水揚げされた鮮魚を毎日、関西方面に運ぶ宮城エキスプレス(石巻市)の上山裕子気仙沼営業所長(51)は「魚の運搬だけでは厳しいという意識は常に頭にある」と語る。

 危機感を共有する市は、来月にも三陸沿岸の物流調査に乗り出す。

 八戸から仙台まで、三陸の各港で揚がった魚を気仙沼に集める。震災後に整備された大規模な冷蔵施設や工場を利用し、水産加工品を製造。全国へ製品出荷する拠点にする-。市はそんな構想を抱く。

 市産業戦略課の梅内摂(やすし)課長(52)は「建築資材や車両部品の流通状況も把握したい。輸出入貨物の内航船や、関連企業誘致の可能性も探る」と見据える。

 三陸道を生かした産業振興へ、ロードマップ(工程表)づくりは始まったばかりだ。

[三陸沿岸道]仙台港北インターチェンジ(IC、仙台市)-八戸ジャンクション(八戸市)を結ぶ359キロの高速道路。三陸縦貫自動車道(仙台市-宮古市)、三陸北縦貫道路(宮古市-久慈市)、八戸・久慈自動車道(久慈市-八戸市)の総称で、国が「復興のリーディングプロジェクト」と位置付け2011年11月に全線事業化した。21年3月に岩手県内の1区間を除き全線開通する予定。


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