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仙台・宮城・陸奥
2907
:
荷主研究者
:2017/08/06(日) 22:32:37
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201707/20170720_11011.html
2017年07月20日木曜日 河北新報
<地下鉄と市長選>まちづくり「脱東京」で
柳井雅也(やない・まさや)仙台市生まれ。福島大経済学部卒、法政大大学院博士課程中退。富山大経済学部教授などを経て、2005年から東北学院大教養学部地域構想学科教授。市復興推進協議会と市中小企業活性化会議の会長を務める。59歳。
開業30年を迎えた仙台市地下鉄南北線は沿線の都市化を進めたが、沿線外の郊外は衰退も目立ち、ゆがみが顕在化している。東北学院大の柳井雅也教授(経済地理学)に、南北線とまちづくりの関係を聞いた。
◎開業30年 光と影/仙台市地下鉄南北線(5完)東北学院大柳井雅也教授
<再配置の好機>
-南北線開業後の30年で仙台はどう変わったか。
「30年で親世代から子世代に入れ替わる。この間に郊外団地は空き家の問題が深刻化した。更新投資がなされず、高齢化が著しい。地域に多世代で住むのが理想だが世代交代は進まず、若いころに家を買った世代が、そのまま老いた」
「駅周辺に福祉施設や商業施設、住宅を集約すべきだ。郊外の古い空き家は更地にして公園にすれば、周辺の不動産価値も上がる」
-開業20年後の乗客数予測は1日33万人だったが、30年目の昨年度は18万人に満たない。
「(予測した)経済が右肩上がりの時代には、身の丈に合った議論が全くできていなかった。無駄なホームは過剰仕様の象徴。需要を大きく見せかけるのではなく、この程度の数字だがやらせてくれと、市民を説得すべきだった」
-市の都市政策は適切か。
「外縁的拡大と副都心づくりに注力したことで既存の街や宅地の更新、再配置が後手になった。地下鉄東西線開業は集約化を図る好機。市の政策が試される」
<魅力ある街を>
-沿線の将来展望は。
「近い将来、東京資本の支社やテナントが一気に撤退する可能性がある。そうなればオフィス街や商店街は2〜3年でさびれる。既にモザイク状に買い物難民が生まれている。若者に地元での就職・起業をしてもらう環境を整えたい」
「新幹線が高速化し、高速道路網も整備され、東京は日帰り圏になった。首都圏に組み込まれたとも言える。東京依存は深刻だ。JR仙台駅周辺は東京資本のおしゃれな店が集まり、仙台らしさの乏しい『ミニ東京』だ」
-今後、まちづくりをどう進めるべきか。
「『脱東京』がキーワードだ。仙台の成長を支えた支店経済が、今は不安定化の要因になった。東京だけを見ていればいい時代は終わった。地場企業も変わる必要がある。国際感覚にあふれた魅力のある街を望む」
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