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仙台・宮城・陸奥
2149
:
荷主研究者
:2015/03/01(日) 13:57:51
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201502/20150226_63009.html
2015年02月26日木曜日 河北新報
<常磐道3・1全通>避難者帰還に期待/(中)復興加速 観光地は誘客全力
21日に開業した南相馬鹿島SA。沿線自治体は交流人口の増加が復興につながると期待する=南相馬市鹿島区
東京電力福島第1原発事故で、全町避難が続く福島県浪江町。町内で事業を再開した建築用木毛セメント板製造の日化ボード社長、朝田英信さん(65)は常磐自動車道の全線開通を歓迎する。
<時間を短縮>
従業員11人。朝田さんら5人が避難先のいわき市から常磐道を使って通勤する。片道約1時間10分。常磐富岡-浪江インターチェンジ(IC)間14.3キロの開通でさらに時間短縮が見込める。
工場の生産量は原発事故前の半分程度まで回復した。製品は、北は岩手県から南は関東方面に出荷する。朝田さんは「通勤でも、仕事でも全線開通のメリットは大きい」と話す。
いわき市内に避難する浪江町民は2726人(1月末現在)。福島県内では福島市の3457人に次ぐ。関東地方1都6県の避難者は4000人を超える。「全線開通で一時帰宅しやすくなる住民が増える。帰還を目指す人が増えてくれればいい」と朝田さんは願う。
沿線は観光地の復興も目指す。
東日本大震災で被災した、いわき市の水族館「アクアマリンふくしま」。原発事故後の交通アクセスの不便さや風評が相まって、来館者は事故前に及ばない。13年度は事故前の69%、59万7000人にとどまる。宮城県からの来館者は全体の約2割。同館は「アクセスの改善で、宮城方面を中心に来館者が増えてほしい」と熱い視線を送る。
相馬野馬追のメーン会場となる南相馬市は交流人口の増加に期待する。市内に福島県内唯一の常磐道サービスエリア(SA)が整備され、物販観光施設「セデッテかしま」が4月下旬に開業する。市観光交流課は「相乗効果で野馬追の来場者を原発事故前の20万人台に戻したい」と意気込む。
<流出が心配>
復興への期待が高まる一方、「ストロー化」の懸念も広がる。
二つのICができた南相馬市内の婦人服店経営者は「もう影響が出ている」と表情を曇らせる。
原発事故の影響で顧客を失い、売り上げは事故前の6割ほど。値の張るスーツは昨年12月から出なくなり、前年実績の3〜4割減った。常磐道の仙台方面との直結が影響しているとみている。
「仕事が終わってからでも名取や仙台方面で買い物ができる。それが日常になりつつある。うちのような店は厳しい」
作業員の流入で「復興バブル」といわれる街で、変化は出始めている。
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