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仙台・宮城・陸奥

1179荷主研究者:2011/04/24(日) 15:05:13

http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/20110416t13011.htm
2011年04月16日土曜日 河北新報
知の拠点爪痕深く 東北大、理科系学部中心に甚大被害

 東日本大震災では、東北大も多くの建物や研究設備が損壊した。国内外の大学や研究機関が、設備の開放や留学生の受け入れを申し出るなど、支援の輪が広がっている。だが、被害規模があまりにも大きく、今後の研究活動に影響が出るのは避けられそうにない。

■火災またも
 なぎ倒された書棚、1メートル以上もずれ動き、横倒しになった実験設備や器具。東日本大震災で受けた東北大の被害は、実験設備を抱える理科系学部で特に大きかった。「地震のダメージは大学にとっても、学生にとっても計り知れない」と、東北大大学院理学研究科の福村裕史研究科長(理学部長)は言う。内部がぐちゃぐちゃになり、火災も発生した理学研究科の化学棟(1972年落成)に大震災の爪痕を見る。

 最上階の8階。そこで地震に遭遇した飛田博実教授(無機化学)は水素ボンベが倒れ、「シュー、シュー」と音を出して漏れるのを耳にしながら避難した。幸い爆発は免れたものの、身の毛のよだつ思いだった。

 78年の宮城県沖地震の際、化学棟では4階と7階の研究室から出火した。今回の震災でも7階が火事になった。

 「危険な薬品類を扱う化学の研究施設は低層階の建物にすべきだ」。それが、2度の大地震を経験した飛田教授が導き出した結論だ。

 1階や2階の低い階が火事になると、上の階は逃げられなくなる。そのため、危険物を扱う研究室ほど上層階に配置されがちだが、上層階ほど揺れは大きく、出火の可能性が高まるからだ。

■再開見えず
 火事になった7階西側、機能分子化学研究室の薬品室に足を踏み入れた。広さ20平方メートル余りの部屋は全体が黒こげになり、割れた瓶が散乱する。

 化学消火剤のものと思われる異臭は、地震から1カ月たっても残る。出火原因ははっきりしていないが、排気設備付近の燃え方が激しかった。

 「室内には1000種類ぐらいの試薬があったが、果たしてどれだけ使えるかは分からない」と清水宗治講師。5月になったら研究を再開する予定だったが、「今月7日の余震で振り出しに戻り、見通しが付かなくなった」と肩を落とす。

■2億5000万円
 「研究への影響という点では、停電で実験サンプルが壊滅した研究室や、測定機器が壊れた研究室の方が大変」と清水講師が連れて行ってくれたのは、有機分析化学研究室の5階にある装置室。

 「見てください。定価で言えば、あの核磁気共鳴装置(NMR)が5000万円ぐらい、こっちの質量分析計は8000万円ぐらいかな」と山下修治助教。研究室の被害はざっと2億5000万円に上るという。

 「抗がん剤の候補になる化合物を研究しているが、分子構造がきちんとできているかどうかを調べるのにはどちらの装置も欠かせない」と言う。

 NMRは化学棟に計8台あるが、1台は完全に壊れ、廃棄が決定。修理で数カ月以内に使える見通しなのが3台、半年ほどかかるのが4台だという。

■補助金暗雲
 山下助教は「この先、測定機器の使用が制約を受けるのだから、研究の質は3分の2でも妥協せざるを得ないかもしれない」と考え始めている。

 さらに、やりたい研究よりもやれる研究テーマ、あるいはお金の掛からない機器で実験できる研究テーマに修正することも、現実問題として必要になりそうだ。

 大震災が研究に与える影響は中長期的にも想定される。

 「研究成果を上げなければ、新たな科学研究費補助金の獲得が難しくなりかねない」と語るのは、理学研究科化学専攻長の美齊津(みさいづ)文典教授(理論化学)。被災地の大学には、大学設備の復興予算だけでなく、研究費配分の上でも配慮が求められる。(長谷川武裕)


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