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芸術・美術・音楽

239名無しさん:2012/04/12(木) 00:07:03
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20120408/CK2012040802000014.html
衣替えに課題山積 湖国2012 県立近代美術館
2012年4月8日

「美の滋賀」の発信拠点として検討されている県立近代美術館=大津市瀬田南大萱町で


 障害のある人らが心の求めるままに表現したアール・ブリュット(生の美術)の作品や県内の仏教美術が県立近代美術館(大津市)に集められ、新しい美の拠点として生まれ変わる。県はそんな構想の実現に向けて二〇一二年度に具体的な検討をする。しかし、施設の整備や人材育成など課題は山積みだ。

◆「新たな美の拠点」構想
 県社会福祉事業団が二〇一〇年三月から十一カ月かけてパリで開いた「アール・ブリュット・ジャポネ」展。十二万人が鑑賞にやってきた。県立近代美術館の年間来場者の二倍を超える数だ。

 大きな目に、真っ赤な唇…。一風変わった女性の姿を描いた作品は「スリムな女性などが美しいという世間の基準を忘れさせる」と評価された。小さな丸い人の顔をクレヨンでさまざまな色で無数にキャンバス全体に描き重ねた作品は、明るい配色が好評だった。

 昨年十二月〜今年二月には、琵琶湖文化館(大津市)に収蔵されている国宝二件、重要文化財二十件が日本海を渡った。韓国ソウル市の国立中央博物館で催された「日本仏教美術 琵琶湖周辺の仏教信仰」で、五万二千三百十六人が訪れた。

 琵琶湖文化館の井上ひろ美学芸員は「韓国の仏像は、銅や金など金属でできていて、つり上がった目のものが多いが、日本の仏像は木造で丸顔で優しい顔のものが多い。その違いを比べて見ている人もいた」と話す。


 県から委託を受けた専門家らによる検討委員会は二月、アール・ブリュット作品と仏教美術を現代美術作品が集まる近代美術館(大津市)に集約し「美の滋賀」として発信することを提言した。

●施設整備
 しかし、近代美術館に仏教美術やアール・ブリュットの作品を集めた場合、ハード面での整備が不可欠。近代美術館の収蔵庫(八百四十九平方メートル)は、既に満杯。琵琶湖文化館の国宝二点、国の重要文化財六十三点を含む千六百二十三点を保管するためには、少なくとも現在の琵琶湖文化館の収蔵庫(五百六十一平方メートル)ほどの広さが必要となる。

 アールブリュット作品は県内の作業所などに点在しており、どれほど収集できるのか未知数。県は「金銭評価が難しい。作品の収集の仕方も検討しなければならない」と説明する。アール・ブリュットの研究も進んでいない。高梨純次学芸課長(58)=日本美術史=は「人材育成できるようなシステムも必要になる」と指摘する。

 近代美術館の周辺整備も求められる。びわこ文化公園内にある近代美術館は、バス停からも駐車場からも十分ほど歩かなければならない。仏教美術やアール・ブリュット作品も展示すれば、お年寄りや障害のある人の来館も増える。

●厳しい財政
 「美の滋賀発信懇話会」の鷲田清一座長(前大阪大総長)らがまとめた提言は、近代美術館を「文化的な美の遺産を守り、滋賀で新たに生み出される美や埋もれている美を再発見し、美の価値を社会に伝える」場と位置づける。

 しかし、一二年度末の県債残高は一兆四百十九億円。厳しい財政状況の中で、海外で評価された滋賀の美の魅力を地域に還元し、地元で発信することができるか。県の力が問われる。

(猪飼なつみ)

 【近代美術館】1984(昭和59)年に設立。日本画、滋賀にゆかりのある作家の作品、戦後アメリカの現代美術など1431点を収蔵。主なものは大津市出身で日本画家小倉遊亀さんや、戦後を代表する米国の抽象画家のマーク・ロスコやクリフォード・スティルの作品など。

 しかし、現代美術の企画展などで集客に苦戦。86年には過去最高の19万2150人だったが、2009年には過去最低の5万6016人。全国の県立美術館44館のうち39位の集客数。企画展の予算は縮小され、99年度決算には年間9500万円だったが、09年度は4832万円。


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