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利水・治水スレ

96千葉9区:2009/05/16(土) 12:04:59
http://www.chunichi.co.jp/article/politics/news/CK2009051602000148.html
河村市長「撤退」を通告 徳山ダム導水路
2009年5月16日 朝刊

 名古屋市の河村たかし市長は15日、徳山ダム(岐阜県揖斐川町)の水を木曽川まで流す「木曽川水系連絡導水路事業」から撤退する方針を、事業を進めてきた国土交通省中部地方整備局の佐藤直良局長に電話で伝えた。

 計画では、総事業費890億円のうち、国交省が半分弱を、市が121億円を負担。市は今月上旬、建設主体の水資源機構に対し本年度分を「支払わない」と連絡しているが、市長は就任したばかりであり、事業内容を確認するために当面の支払いを回避したにすぎない、との見方が市内部にもある。

 しかし、河村市長は「支払わないのは、私としては事業から撤退し、建設もやめてほしいとの意味だ」と佐藤局長に説明。強い決意を直接伝えるねらいがあったとみられる。

 ただ慎重な構えも崩さず、「市としてやめるかどうかは内部できっちり詰めたい」と付け加えた。

 河村市長は専門家や市民の意見も踏まえ、今夏をめどに市の結論を出し、当初予算に計上した本年度分1億6000万円を減額する補正予算案を、9月議会にも提出する。

 役所の手続きとしては「予算の不用額」として1億6000万円を市の上下水道局内だけで処理する手法もあるが、市長としては、導水路の是非を議場で本格的に審議するために、あえて議会に問いたいとしている。

◆首長“独走”混乱の恐れ
 【解説】徳山ダムの導水路事業から撤退する河村たかし市長の方針は、ダムや河口堰(ぜき)の必要性をめぐる議論に風穴を開ける可能性もある。しがらみを排し、公共事業を見直すとの姿勢は田中康夫・前長野県知事の「脱ダム宣言」にも通じるが、首長の“独走”は地元を大混乱に陥れる恐れもある。

 水余りか、ダムはまだ必要なのか、識者の間でも議論は平行線をたどる。市は1980年代以降、5カ所のダムや堰で水利権を確保。1日当たり184万トンの供給能力は、1年で最も水が必要な真夏の実績で比べても例年、80万トン超の余裕がある。

 ダムの根拠となる水需要の予測には、高度成長を前提とした試算に基づくとの批判がつきまとう。徳山ダムも半世紀前の構想。水需要の実績は全国的に70年代をピークに下落を続ける。

 以前からダム建設に反対の立場を貫いてきた河村市長は、衆院議員時代、その象徴として「長良川河口堰をなくしたい」と公言している。

 市長と議員では発言の重みが違う。同河口堰にある市の水利権も返上し、ダムや河口堰“不要論”をさらに巻き起こしたい思惑も見え隠れする。

 ただ渇水時だけでなく、洪水対策に果たすダムや堰の役割も指摘される。市の水道担当者は94年の異常渇水でも「断水しなかった」ことを誇りとし、安定した水供給が企業誘致にもつながる側面も強調する。

 世間をあっと言わせ、直接世論に問い掛ける“河村流”。しがらみ一掃の魅力は確かにある。だが、水は「百年の計」とも言う。長期的な視点で撤退が市民生活に影響を及ぼすことはないのか。その根拠を全面的に開示し、市民を巻き込んだ議論が求められる。 (社会部・豊田雄二郎)


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