したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

利水・治水スレ

1267とはずがたり:2016/12/26(月) 19:43:11
火力、水力、太陽光、風力など、現代社会ではさまざまなエネルギー源を利用しているが、どれも太陽エネルギーを元にしているという意味では共通している。だが、エネルギーの種類によって、使い勝手の良し悪しはかなり違う。雨のエネルギーの場合、基本的にあまり使い勝手はよくない。雨のエネルギーには、太陽光や風力など、ほかの再生可能エネルギーと共通した弱点があるからだ。

それは、エネルギーが薄いことである。石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料は、少量を燃やすだけで大きなエネルギーが得られるので大変に使い勝手がよい。また、資源のある場所の地面を掘るだけで簡単に手に入れられるし、遠方に運ぶのにも便利だ。化石燃料がこんなに使いやすい理由は、エネルギーの密度が高いからである。小さな体積に大きなエネルギーが蓄えられている。化石燃料はエネルギーが濃いので使いやすいわけだ。

だが、太陽光や風力になると、使い勝手がガクンと下がる。たとえば、太陽光発電によって石油や石炭と同じだけの電力を得ようとすれば、広大な面積に太陽光発電パネルを敷き詰めなければならなくなる。太陽のエネルギーの絶対量は非常に大きいが、単位面積当たりのエネルギーが小さい。つまり、薄いエネルギーなのだ。その太陽のエネルギーに由来する光や風というエネルギー源もまた、圧倒的に単位面積当たりのエネルギーの密度が低く、薄いのである。

雨のエネルギーにも、同じ弱点がある。エネルギーの密度が非常に低く、一つひとつの雨粒のエネルギーはとても小さい。たった1滴の雨では、ほとんど人間の役には立たない。役立つ形にするためには、雨の粒を莫大な数だけ集める必要がある。つまり、エネルギーを集中して濃くする工夫がないと、雨はエネルギーとして使いものにならない。効率よくエネルギーを集めるためには、より高い位置で、より多くの雨を集めるほど有利になる。だが、そんな装置を人間の手で作ろうとすれば大変な手間と知恵が必要になるし、装置を用意するのにエネルギーも必要となってくる。

ところが、日本の場合、これを「地形」が解決してくれるのだ。

山は雨のエネルギーを集める装置

密度の低いエネルギーを利用するには、集中させる工夫が必要である。太陽光発電の場合なら、太陽光パネルをどれだけ広く設置できるかが重要だし、風力発電なら、より風の強いポイントにより多くの風車を設置せねばならない。

ところが、雨のエネルギーでは、幸いなことに、ある自然条件がエネルギーの集中を手助けしてくれる。

その自然条件とは、山である。

たとえば、東京23区にいくら大量の雨が降ったところで、海抜が低すぎてエネルギーにならない。ところが、山に降った雨は自然と谷へと集まってくる。関東の場合なら、神奈川県の丹沢山地や東京都の奥多摩に降る雨は谷に集まり、相模川や多摩川の水となって流れ落ちる。水源地域の谷には大量の雨が自然に集められていく。しかも、水源地域は海抜が高い。谷に集まった水の位置エネルギーは非常に大きい。

このように、日本の山岳地帯は、アジアモンスーンによる大量の雨を、エネルギーの大きい位置で効率よく集めてくれる装置となっている。明治期に来日したベルが「日本はエネルギーが豊かだ」と言ったとき、彼が多雨と共に注目していたのは、日本の山だった。日本列島を平均すると、約7割が山なのだが、この地形が、雨をエネルギーに換えるのに有利な条件となる。

多雨と山岳地帯。

こうした日本の気象と地形という地理条件を確かめたからこそ、グラハム・ベルは「日本には豊富なエネルギーがある」と断言したのだ。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板