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小沢一郎の政権構想

125名無しさん:2009/09/09(水) 21:04:38
>>124

 彼が提示した処方箋は米国人にとってはなじみ深いものだ。それは、健全で闊達な議論が行なわれる二大政党制、小選挙区制、決意に満ちた強い権限をもつ首相、地方自治体政府への抜本的な権限委譲、長時間労働からの労働者の保護、性・年齢による差別の撤廃、そして大幅な規制緩和だった。さらに彼は、海外への戦闘部隊の派遣を含む、国連の平和維持活動への支援策を実施することで、世界外交における日本の立場を強化すべきだと主張した。一言でいえば彼は、大国としての責任を引き受け、その質のよい生活レベルによって他の諸国の人々がうらやむような日本を作りたかったのだ。その目的は、世界中の人々がアメリカン・ドリームを夢みるのと同様に、彼らがジャパニーズ・ドリームに思いを馳せるような国家に日本をすることだ、と彼は指摘している。

 日本国民は、小沢の提案を積極的に認めながらも、一方では懸念も抱き、複雑な感情でこれを受けとめている。彼の著作は実に七〇万部も売れ、読者たちは、日本の政治が現実にどのように機能しているかについての彼の率直な説明に魅了された。「政府自体、数多くの機構や利益によって分散化している」、たとえば、「すべてを調整し管理するような包括的な組織は存在せず……、通常日本政府の最高意思決定機関である閣議は、まったく中身のない組織だ」と彼は指摘した。これらの点を指摘する人々は他にもいるが、小沢ほどの政界での地位と経験をもつ人物がこの問題を指摘したことによって批判は事実と化し、改革主義志向の人物は、この点をためらうことなく引用できるようになった。

 一方日本人は、機をみるに敏という言葉に特徴づけられる小沢の政治キャリアを熟知しているだけに、週当たり労働時間の短縮化提案を含む広範な社会的課題に、彼が本当にコミットしているのかどうか、確信がもてずにいる。結局のところ、小沢もまた紺の背広を着た典型的な仕事中毒で、タバコの煙だらけの永田町の料亭で密室会談を行なう政治家なのだ。細川元首相が国民を魅了した理由がそのカジュアルなスタイルや、テニスを楽しむようなライフ・スタイルにあったとはいえ、その時々のより広範な社会的課題に対していかに関わっていくかという点では、小沢の主張は、細川の半分程度の説得力しかもたないように思われる。信頼により値するのは、日本の指導者たちのリーダーシップを強化し、国連主導型の軍事行動に参加してでも、日本を世界の表舞台に押し上げようとする小沢の決意のほうだ。だが、こうした彼の野心は複雑な反応を呼んでいる。なぜなら日本人は、尊敬され自信に満ちた明治期の改革者よりも、権力を濫用し国家を戦争へと向かわせた一九三〇年代の権威主義的指導者のほうを、より鮮明に記憶しているからだ。


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