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掛川・懸河・佐野

182とはずがたり:2017/12/13(水) 09:43:32
>>180-182
 慌ただしく準備を進めつつも、満を持して臨んだミラノ万博で、五穀屋の和菓子は高い評価を受ける。特に玉ようかんは見た目の美しさや味などに興味を持たれ、イタリアの名門、メディチ家で献上することとなった。これらの実績は春華堂にとって「海外でもやれるんだ」というこの上ない自信につながった。

 現にその後、16年7月には米国・ニューヨークで開催された食のプレミアムイベント「Chefs & Champagne」に日本企業として初参加。17年7月にも同イベントに参加したほか、9月に行われたニューヨーク国連総会の日本政府主催レセプションでも五穀屋の和菓子が振る舞われた。

 「和菓子が世界で通用するのかどうかは、正直行ってみないと分かりませんでした。当初は海外の人たちはあんこを食べないなど、いろいろなことを言われましたが、あえてようかんを出品すると、意外にも受け入れてくれたのです。日本の和菓子は世界でも通用するのだと感じましたし、当社の商品だけでなく、ほかの和菓子でもきっと通用するはずだと思いました」(山崎社長)

●世界中から浜松に

 海外での成果は国内での販売活動にも好影響をもたらした。16年4月に百貨店「松屋銀座」に五穀屋を出店すると、若い女性客の心をつかんだのである。

 これまで松屋の客層は50〜60代が中心であり、同百貨店としても20〜30代を取り込みたいという課題があった。五穀屋のブランドだったら若い世代にアピールできるのではと松屋から声を掛けられたそうだが、その期待通り、和菓子のフロアで他の店舗がいまだ50〜60代の顧客が多い中、五穀屋は20〜30代が15%を超えているという。これは洋菓子店舗並みの数字である。

 こうした取り組みが実を結び、16年度の和菓子部門の利益は黒字化に。加えて、今まで長きにわたって春華堂の売上高全体の約9割がうなぎパイだったが、現在では8割強になるほど、和菓子の売り上げが着実に伸びているのだ。

 今後のビジネス展開について、山崎社長は海外に出店したいという夢を明かす。そのためにまだ国内でも足場を固める必要はあるものの、5年先、10年先ではなく、もっと早いタイミングで出店できればという。

 そしてまた、海外で五穀屋のブランドが認知されることで、世界中から浜松に人がやって来るきっかけ作りになればいいと考える。「海外で食べた和菓子を日本でも食べたいと、一人でも多くの人が日本さらには浜松に足を運んでくれたら、われわれの存在価値もより高まるだろうし、地域の活性化にもなるのではと思います」と山崎社長は意気込む。…

 すぐに成果は出ないだろうが、人々の記憶や印象に残るのは大事だと語る山崎社長。そのためにこれからもチャンスがあれば海外でのイベント出展などに果敢にチャレンジしていく。

 浜松には「やらまいか」という方言がある。これは「やってみよう」「やってやろうじゃないか」という意味であり、浜松の人たちは新しいことに積極的に挑戦する精神を持っていることを示す言葉である。うなぎパイの大成功だけに決して満足せず、これまでにはなかった和菓子作りや海外展開などに打って出る春華堂は、まさにやらまいか精神を受け継ぐ企業と呼ぶにふさわしいだろう。

(伏見学)


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