したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

筑波・TSUKUBA・菟玖波

377とはずがたり:2008/12/16(火) 18:12:04
【茨城新聞アーカイブ】

▼5 日立建機土浦工場 油圧ショベル生産世界一(2001年3月30日付)

 日立建機土浦工場は世界一の生産台数を誇る油圧ショベル工場だ。ピーク時の一九九一年には一カ月に約千七百台を造り、国内需要が落ち込んだ今でも約千台の生産を維持する。同社の生産拠点は子会社や合弁会社を含め国内四、海外九の計十三カ所。土浦工場は主力工場として、油圧ショベルでは六トン以上の中型から五五〇トンの世界最大級まで手掛ける。油圧機器専門工場の霞ケ浦工場(霞ケ浦町)とともに主要製品や重要機器部品を他の工場に供給するマザー工場の役割を果たす。情報技術(IT)を駆使した受注生産体制を確立した先進的な工場として注目を集めている。

 ■シェア拡大

 「建設投資の減少で過去五年間の国内需要は四、五割減少したが、生産台数は半減していない」。杉山守久土浦事業本部長は油圧ショベルのシェア拡大についてこう語る。グループ全体では、海外需要の伸びが著しく海外の生産量が国内分に並ぶようになった。「統一仕様のマーケットシェアは約二一%。ライバル会社を抑え世界一位だ」。工場単体の生産量は減少しているものの、現地生産する海外への部品供給で減少分をカバーしている。

 シェア拡大の背景にあるのがITだ。同社は昨年、民間調査会社の「ITを意識した経営度調査」でリコーに次ぎ全国二位になった。九四年から従業員に一人一台パソコンを配置、工場―営業―サービス―海外をネットワークでつなぐ社内LANを構築した。同社の営業マンはパソコン画面でカタログや機種の稼働実例を顧客に紹介し、そこから工場の生産計画を確認して発注するという。

 ■「2+2生産」

 油圧ショベルのグレードは一機種あたり二十以上。装着するオプションは数十に上る。「顧客の要求が多様化し個々に特殊仕様を求めてくるので一台として同一仕様はない。三人に一人が『明日持って来い』と注文する」と杉山本部長。ニーズに素早く対応するため、土浦工場はCIM(コンピューター統合生産)システムなどを活用し「2+2生産」を実施。二日間で部品を集め二日間で組み立て五日目に出荷する画期的な受注生産体制で、受注から生産にかかる時間を半分に短縮し在庫も半減した。

 ITは生産面だけでなく開発面にも貢献。三次元CAD(コンピューター利用設計システム)などにより製品開発にかかる時間は飛躍的に短縮。コンピューターの中で機種の設計から生産技術のテストまでをシミュレーションする「バーチャル・ファクトリー」の存在が大きい。

 ■世界初eショベル

 こうして開発したのが世界初のインターネットを利用したeショベル「ZAXIS(ザクシス)」だ。ITショベルとも言うべき機種で昨年六月に発売。油温計など各種センサーが組み込まれ、現場の稼働状況が情報として取り出せるのが特徴で、GPSを搭載すれば、通信衛星を通じて事務所にいながらインターネットでリアルタイムの情報を取り出せる。

 「故障防止など効率的な機種管理でお客さまにとっては経営効率アップに。当社には修理などアフターサービスの効率化と今後の製品開発に役立つ」と杉山本部長。今年二月、同社の油圧ショベルは完全にザクシスに切り替わった。

 ■原価低減

 顧客である建設業界の競争激化はそのまま同社にはね返る。業界全体で原価低減に取り組んでおり注文は厳しい。「お客さまのため売価に対応した革新的な原価低減に取り組まねばならない」と杉山本部長。「安く仕入れ、安く造り、間接業務の仕組みも抜本的に変えなければ」と語る。

 「将来は、世界に対する製品の開発センターとして、生産技術や生産管理など業務のノウハウを海外拠点に水平展開していく。センター機能を発揮して付加価値の高い仕事をしていきたい」。製品だけでなく販売やサービスなどITを活用した取り組みで、二十一世紀初頭の荒波の中を乗り越えていきたいという。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板