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各種イノベーション・新発明・新技術など

561とはずがたり:2019/08/20(火) 10:19:19
>>560
Airbnbが浸透したせいで、閑静な住宅街がホテルの立ち並ぶ観光地のようになってしまった地域は多い。UberとLyftのためにクルマでの移動が増えれば、環境に悪影響が出るだろう。そして、フードデリヴァリーは地元のスーパーで買物をして家で料理する習慣をぶち壊し、従業員とは見なされない配達員たちは必死に仕事をしても生活費に足りるだけの賃金すら得られていない。

ピーター・ティールの発言の本質
現実を直視しよう。シリコンヴァレーのテクノロジーは、ほぼすべての場合において大して革新的ではない。そのメリットによって、既存のシステムを置き換えているだけなのだ。

Uberは効率的な大量輸送システムにはかわない。Facebookでのつながりより実際の友情のほうがいいに決まっている。YouTubeの動画を質の高い娯楽作品だと思うだろうか。Airbnbの物件が散在するエリアより、地域コミュニティがしっかりしている場所に住みたいはずだ。そしてコンピューター化された学習プランよりも、経験を積んだ教師に教えてもらうほうが絶対にいい。

テクノロジーは効率的で使い勝手がよく、コストも低いかもしれない。しかし、果たして本当に優れているのだろうか? そんなことはない。それどころか、既存のものにはるかに及ばないだろう。

ペイパルの創業者のひとりで、シリコンヴァレー屈指のヴェンチャーキャピタリストとして知られるピーター・ティールは、この問題を奇妙な言葉で言い表している。彼は過去に「空飛ぶクルマが欲しかったのに、手に入れたのは140文字だ」と言ったことがある。だが、これを文字通りに受け取ると、フェイスブックの取締役でもあるティールの本質を見誤ることになる。

「競争ではなく独占せよ」と説いてきたティールは、巨大な利益を生み出すのは既存のシステムを破壊するようなアイデアであって、革新的な新型デヴァイスではないことを理解していた。投資家としてのティールに大金を運び込んでくるのは、空飛ぶクルマである必要はない。大量の「いいね!」やコメントさえ付けば、究極的には何でもいいのだ。

家の玄関先だけですべて完結する世界
シリコンヴァレーが引き起こしている破壊に適切に対処する方法は、社会的防衛の構築だろう。クリックひとつで呼べる配車サーヴィスに対しては、地下鉄やバスなどの公共交通網の整備する。住宅街のマンションの一部が格安のホステルになってしまったら、利用者をきちんとした正規のホテルに誘導すればいい。

教室に人工知能(AI)が侵入してきたら、教師やカウンセラーの数を増やし、図書館を充実させる。さらに教育への投資を拡大していく必要があるだろう。食品配達サーヴィスが流行している現状に対しては、健康な食生活の推進を訴えると同時に、市街地中心部から食料品店が消えていく「食の砂漠」状態の進行を防ぐためのルールづくりに取り組めばいい。わたしの言いたいことはわかってもらえると思う。

町の広場や商店街ではなく、家の玄関先だけですべてが完結してしまう世界なんて、単に悲しいだけではないだろうか。痛ましいとさえ言えるかもしれない。家の中に閉じこもったまま人生を終えたいと思う人の数は、そこまで多くはないはずだ。…

ノアム・コーエン|NOAM COHEN
ジャーナリスト。『ニューヨーク・タイムズ』記者として創業期のウィキペディアやツイッター、黎明期にあったビットコインやWikileaksなどについて取材。著書に『The Know-It-Alls: The Rise of Silicon Valley as a Political Powerhouse and Social Wrecking Ball』などがある。


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