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人口問題・少子化・家族の経済学

1901とはずがたり:2018/09/22(土) 22:48:31
>>1900

「酒文化・居酒屋文化」の危機が懸念されるなか、一筋の光明も差している。若者を中心とする静かな日本酒ブームが起きているのだ。日本酒の消費額の推移を見ると、各年代とも減少を続けてきたが、10年に底を打つと、「20?29歳」「30?39歳」などの若年層で上昇に転じている。

 日本酒造組合中央会が運営する「日本の酒情報館」の今田周三館長によると、転機となったのは11年3月の東日本大震災という。花見シーズンを目前にしていたが、全国で自粛ムードが広がった。しかし、岩手県の「南部美人」という蔵元がユーチューブでメッセージを発信。「日本酒を飲んで頂くことで、われわれ東北を応援して頂きたい」「われわれにとっては、自粛よりもお花見して頂くことのほうがありがたい」などと呼び掛けた。

 今田氏がこう語る。

「この発言で明らかに世の中のムードが変わりました。いままでお酒を飲まなかった若い人が日本酒を飲むようになりました。当初は東北各県のお酒を中心に売り上げが伸びましたが、やがて全国に波及していった。さらに、90年ごろから蔵元の世代交代が進んで、造り手が若返って新しい日本酒が次々と生まれました」

 先駆けとなったのは、山形県の高木酒造の「十四代」。その影響を受けた若い蔵元たちが、続々と新たな日本酒造りに挑み始めた。

「従来は和食に合う淡麗辛口の酒が好まれてきましたが、やや甘い芳醇な味が若い人たちの間で支持されるようになった。ローストビーフにも合うワインのような日本酒です」(今田氏)

 実際に、日本酒やクラフトビールの試飲会などのイベントには多くの若者が集う。お洒落なバルも、日本酒のメニューを取りそろえるようになっている。

 前出の松田氏は“嫌消費”の世代にピリオドが打たれ、90年代半ばから00年代初頭生まれで、現在20代に差し掛かる若者たちから消費行動が様変わりすると見る。

「本当の意味でのミレニアム世代です。若いころにバブルを謳歌して消費好きだった新人類のジュニアたちで、親の影響を受けて趣味に消費を惜しみません。テレビドラマ『チア☆ダン』に共感したように、チームプレーで頑張ってみんなで達成感を味わいたいという感覚も持っている。彼ら彼女らはおいしい食を求めて、そのついでにお酒を飲むというのが消費パターンです」

 世代は変わっても階級社会は今後も続く。富裕層と貧困層の格差はますます拡大し、二極化は急速に進んでいく。いまの日本酒人気を支えているのは、比較的リッチな若者たちだろう。純米吟醸などの高い酒は、やはり非正規労働者には手が届きにくい価格だ。前出・橋本氏はこう話す。

「酒文化を守るためには、やはり若者の貧困化を防ぐことが基本です。いまは、80年代の酎ハイブームのように、お洒落だけど安く飲めるお酒が見当たりません。アルコール飲料メーカーには、貧困層の若者のニーズにも応えるような企業努力が求められます」

 人々の精神に癒やしを与えてきた「酒文化・居酒屋文化」を衰退させないためにも、すべての階層の若者に支持される酒が必要なのだ。(本誌・亀井洋志)

※週刊朝日  2018年9月28日号


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